カテゴリ:オルガン工房( 17 )

日本福音ルーテル大分教会のオルガン

日本福音ルーテル大分教会に
アンドレア・ゼーニ工房のオルガンが建ちました。
f0161652_05114960.jpg
教会建設当初からバルコニーは用意されていたこの教会。
私たちは約一年前に教会を訪れて、
この礼拝堂のデザインや音響を見聴きし、
教会の方々と様々な意見やアイディアを交わし、
イタリアの工房で丁寧に制作され、
遂にこの場所のためだけの、
世界に一つの美しい楽器が完成しました!
f0161652_05513596.jpg
町の人の関心も高く、
設置作業中、有名新聞社各社も取材にきました。
テレビ大分が数日撮影にいらして、
素敵なドキュメンタリー動画を作ってくださいました。
とてもよくできています! 
ぜひこちらから見てくださいね☆
↓↓↓
「イタリアから大分へ パイプオルガンの調べ」


・・・・
教会には、製作中の様子を工房から送っていた画像が
引き伸ばされて壁に貼られていました。
ずっと楽しみに待っていてくださったことが感じられました!
f0161652_06235435.jpg
空間だったバルコニーに足場と昇降機を使って
オルガンの外枠を運び込み、組み立てていくところ。
f0161652_06223745.jpg
金箔も舞う美しい彫刻を嵌め込み中。
f0161652_06294198.jpg
内部のメカニックも徐々に繋げ、
小さな箱の内臓がどんどん満たされていきます。
f0161652_06334480.jpg
オルガンの背後に低音部の木管パイプを設置中。
このパイプは、おらが谷の最高級の赤モミの木。
f0161652_06373457.jpg
一本一本のパイプにじっくりと整音作業を施しながら、
内部にも小さなパイプが徐々に並べられていきます。
私がすごい高い足場にいるところも見てね(汗)。
f0161652_06520817.jpg
順番待ちのパイプたち。
種類ごとに順番に並べておくのが私のシゴト☆
f0161652_06465763.jpg
テレビ大分さん取材中☆
f0161652_06481555.jpg
全部で646本あるパイプの音のバランスを、
バルコニーに登ったり降りたりと何往復もしながら確認し、
一本一本手にとって延々と微調整を繰り返すこと数日。
最後の一本入った~!!
牧師先生、決定的瞬間を頂上から撮影中。
f0161652_06573673.jpg
でもまだまだ終わらない。
今度は鍵盤メカニックなどの調整中。
f0161652_07010518.jpg
そして最終日、遂に足場撤去!
以前からずっとここに在ったかのように、
見事に礼拝堂と一致した美しい姿が現れた瞬間。
そして、祝別式と試奏演奏会の準備へ。
f0161652_07122066.jpg

演奏台周辺には沢山の木が使われて、
温かみのある華やかな印象。
八角形の教会のデザインに合わせ、
譜面台には八角形の象嵌彫刻が施されています。
f0161652_07152079.jpg
上を見上げれば、金箔が貼られたパイプの歌口から、
歌声が聴こえてきます。
f0161652_07243249.jpg
教会内外部から、50人ほどの方々が集まってくださり、
牧師先生に楽器の祝別をしていただいた後、
初弾き演奏をさせていただき、
皆で新しい楽器の音色を堪能しつつお祝いしました。

作業の様子を収めた写真を、
礼拝堂入り口の壁に展示してくださいました!
f0161652_07164745.jpg
今後、お披露目演奏会をはじめ、
毎日曜日の礼拝やコンサートなどで
このオルガンの音色を聴く機会が沢山与えられることでしょう。
イタリアと大分を繋いだこの楽器が、
これから教会や大分の財産として愛され育まれていくことを
心から願っています。


・・・・・・・
リンク
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。


今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。

 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2018-04-30 07:41 | オルガン工房 | Comments(0)

工房見学の週末&山歩き

向こう谷の友人が仲間を連れて
オルガン工房見学&おらが谷歩きにやってきました。

f0161652_06512486.jpg


定年した元学校教師のグループ。
飛び交う質問がさすが元先生たち。いいとこ突いてきます!
アンドレア社長も説明し甲斐があるみたいで楽しそう。
完成間近のこのオルガンを見てもらえてよかった☆

f0161652_06493541.jpg


たっぷり工房を堪能した後は、
森の中をみんなで軽く2時間ほどハイキング。
雪道の上をザクザクとおしゃべりしながら歩きました。
天気予報はXだったのに、まさかの快晴!

f0161652_07063508.jpg


定年ライフを楽しむこのグループ。
毎月末に会って、山歩きをしているんだそうです。

モミの木を切り出した山の合間。いい匂い。

f0161652_07083724.jpg


森から抜けたら、おらが谷が一望。
この日はなんだか春のような日差し。

f0161652_07111257.jpg


そして、このブログに度々登場するこの山小屋レストランが
ハイキングの終着点!
さあ、ランチタイム~☆
みんなこのためにがんばって歩いたのよ~

f0161652_07140117.jpg


山歩きでお腹が空いて、
ハムの盛り合わせをつまんだ後に、

f0161652_07161056.jpg


これ↓をガッツリ頼んだら、
あまりの大きさに半分も食べきれず、
お持ち帰りにしてもらった。

f0161652_07191477.jpg


別腹はあっさり完。

f0161652_07205774.jpg


食事の後は何処からともなくカードが出てきて、
カードゲームで盛り上がり。

f0161652_07225712.jpg


オルガン→山歩き→ご飯→カード。
なんとも充実した週末☆
楽しかったです~

・・・・・・・
リンク

A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。


今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。
 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2018-01-31 07:33 | オルガン工房 | Comments(0)

オルガンのオーバーホール in ポルトガル

9月の2週間、ポルトガルに行ってきました!
場所は中部、レイリアLeiriaという町。
町の中心にあるカテドラルがこの旅行の目的地。

f0161652_22431324.jpg

旅の目的は、ドイツ人オルガンビルダーが20年前に建てた、
このカテドラルの大オルガンの大掃除、オーバーホール。
このドイツのビルダーが今は現存しないため、色んな繋がりから、
イタリアの2つのオルガン工房が共同で作業を行うことになったのです。

到着すると、祭壇に向かって右手にあるこの楽器には、
大きな足場が組まれていました。
まずは正面の装飾を取り外すところから。

f0161652_22412793.jpg
オルガンのオーバーホールというのは、
具体的に何をするのかというと、まずは埃取り。
パイプの中、足元、メカニックなどあらゆるところに、長年の埃が蓄積しています。
それから、メカニックや風箱など全ての部分の再点検と再調整。
そして、整音、調律など、様々です。
大切に長年、後世に受け継いでいくためには、
数十年に一度はこういった大メンテナンスが重要です。


↓掃除前のパイプ周り↓。
普段は誰も入ってこないオルガンの内部にも、こんなにしっかり積もっていました。
汚れ具合は楽器の環境にもよりますが、見えない室内の風の流れに乗って、
日に日にこうやって積もり積もってきたのですね。
いや~本当にそれはもう、なかなか凄かったです、どこもかしこも(笑)。

f0161652_23274715.jpg
この規模の楽器だと3000本程度のパイプが詰まっていますが、
そのほぼ全てを一度楽器から出して、内部を空室にしてから掃除機。
大きなパイプの移動は特に慎重に。
後でもとに戻すことも考えて、効率よく出していきます。

5人でバトンレースで何度往復したことか。
f0161652_23512877.jpg

オルガンの正面から裏から、あっちの梯子からこっちの梯子からと
アクセスしながら、オルガンのあらゆる場所に入り込んで、
メカニックや、パイプに送られる風の具合なども念入りにチェック。
普段弾いているオルガニストの要望を聞いたり意見交換も大事です。
f0161652_23500626.jpg

掃除機隊アレちゃん。朝から晩まで埃まみれ。
だけど、ごっそり掃除機で埃が取れていくのは快感っ!
私はそのあとを乾拭き隊。
古シーツ雑巾がどんどん真っ黒に変身していく。。。
細かい&届きにくい空間を掃除機&乾拭きしていくのは大変!
細い隙間は筆で埃を掻き出したり。

f0161652_23343753.jpg

一方、外に出されたパイプは、一本一本手に取りながら、
パイプの中の埃をエアブロー機で吹き飛ばします。
それから表面を丁寧に乾拭き。
長年の重みで変形してしまったりしたパイプは直していきます。

一本一本のパイプが愛おしくなってくる瞬間。
f0161652_07180080.jpg
オルガンの中はまさに、巨大な精密機器が凝縮された高層ビル。
ここはパイプ室の一部。
このパイプたちも一度全部外に出ました!

f0161652_00412080.jpg
足場の下に隠れた演奏台。譜面台も取り外して。
鍵盤メカニックが見えています。
演奏台の両サイドから、オルガン内部に入っていきます。

f0161652_00335394.jpg
演奏台の裏部分に小さく入り込んで鍵盤調整中。
檻に二人入ってるみたいに見える(笑)。

f0161652_00385451.jpg
一階から二階に通じるはしご。
この楽器は5階建て風になっていました。

f0161652_00345385.jpg
どうしてこのように制作されたのか、
現状はどうなのか、そしてどのように修理修復すべきなのか。
自分たちが制作した楽器ではないからこそ、制作者の意図を探りながら、
より長く後世に受け継いでいけるためにはどうしたらよいのか、
2人のビルダーが、それぞれのこれまでの経験と知恵を合わせて、
意見を交わしながら真摯に取り組む仕事振りを見るのは、
ビルダーでない私にとっても、とても貴重な体験でした。

2週間の作業を終えて、一人残してイタリアに戻ってきました。
残ったマイスターは現在、整音&調律作業中。
10月末に再お披露目コンサートがあります。

↓マイスター2人にがんばれビームを放射中のイエス様☆↓

f0161652_00240901.jpg


PS:
2週間、教会近くのセミナリオで寝食お世話になりました。

ポルトガルでは毎食、必ずスープで始めるのが伝統なんだとか。
毎食大きなボールで運ばれてきたスープ。

f0161652_05265167.jpg


それに続いて毎食、お肉かお魚がどんと出てきた。
2週間で2キロ太って、自己最高重量軽く更新。わーい(汗)。
イタリアに戻ったら体重も戻ったけど。やれ幸い。。。

f0161652_05443336.jpg


私は半分は仕事の手伝い、でも残り半分は遊びでした。
日帰りで一人でぶらぶら旅を楽しみました。
これからちょこちょこと、ポルトガル旅行記更新していきます☆



・・・・・・・
リンク集
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。


今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。


 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2017-10-03 09:19 | オルガン工房 | Comments(0)

神奈川のハウスオルガン

神奈川県、三浦半島にあるご家庭に、
アンドレア・ゼーニのハウスオルガンがやってきました。

デザインや音色の種類、お部屋や用途に合わせて
一台一台特注制作されるパイプオルガン。
それぞれの楽器に、それが生まれるまでの温かいストーリーがあります。

イタリアの工房で一度お披露目された後、解体し、
大切に大切に梱包されて、長旅を終えた大箱が、
無事に日本の玄関前に到着!

f0161652_00232446.jpg

駐車場で箱を解体しながら、部品を家の中に運び入れていきます。

f0161652_00362757.jpg
まずは、骨組みを組み立てていきます。
お部屋の中は部品でいっぱい。
これがこの箱の中にすっぽり収まっていくのだから凄い。
f0161652_00425220.jpg
楽器の下部分のメカニックを組み立てながら、鍵盤を設置。
これでオルガンらしい姿が見えてきました。
f0161652_00583200.jpg
次はパイプが入る楽器上部の箱を組み立てます。
f0161652_00493157.jpg
天井ぴったりに収まった楽器の姿!
f0161652_00531469.jpg
次はパイプを一本一本、奥から丁寧に並べながら、
整音、調律作業を施していきます。
この木管パイプも、大小全部ひとつひとつが手作り。
f0161652_01045463.jpg
このオルガンには、4種類の音色のパイプが納められています。
ある程度箱に収まったら、正面の飾り細工を嵌め込みます。
f0161652_01230286.jpg
楽器の顔になるプリンチパルの輝くパイプを、
指紋がつかないよう手袋をして丁寧に並べていきます。
f0161652_01295142.jpg
全部のパイプが収まって音が鳴るようになったら、
ここからがいよいよ要とも言える作業です。
パイプ一本一本に命を与える整音作業、そして調律。
一本ずつが美しく歌うように、そして他のパイプとも溶け合う音色になるように、
決して妥協せず、自分がイメージしている響きへと、
アンドレアは数日かけて根気強く、息を吹き込んでいきます。
また、美しいタッチの練習ができるよう、鍵盤の調整も綿密に施します。
f0161652_01364724.jpg
約5日間の作業を経て、完成したオルガン!
木調の温かい雰囲気のリビングにとても似合っています。
沢山の願いと祈りが込められたこの楽器。
音楽を愛するご家族の団欒の場に、
美しいハーモニーを響かせる楽器となってくれることを願っています。
f0161652_01492099.jpg
住空間に収められたので、埃などから守るために
観音開きの扉をつけました。
夜など、扉を閉めたままで小さな音で練習することもできます。

正面パイプは王冠のように並ぶように。
それに合わせて、アンドレアの奥さんがデザインし、
おらが谷の木彫り職人が彫り出した彫刻を施しました。
オルガンケースよりも白い木を使って、彫刻が浮き立つようにするのは
ゼーニオルガンの特徴のひとつ。明るい印象です。

f0161652_01532335.jpg
黒鍵の側面、ストップのノブ、足鍵盤の一部、譜面台の象嵌には
赤色の木を使って、おしゃれに統一感を持たせています。
このオルガンに使われている木の種類をざっと数えてもらったら、
なんと12種類もありました!一つの楽器で森林浴ができそう。

f0161652_01515648.jpg
「オルガニスト一人一人、理想としている楽器が違う」というアンドレア。
一台一台の楽器に求められている姿にできるだけ近づこうと、
自分の理念を崩すことなく、常に柔軟に探究し続ける姿には、
生粋の職人気質とプロフェッショナルな魂を強く感じます。
だから、彼の楽器は一台一台に個性があって、面白いです。

f0161652_01012412.jpg

追伸:
常にチャレンジャーなアンドレア。
納豆にも挑戦しました!
人生二回目。一回目の時の納豆と味が違う、と。
よく噛み締めてるんだなあ~(笑)。どこまでも真面目な職人さん。
タイトル「製作中の楽器をバックに納豆を食べるオルガンビルダー」。
この一枚は、私的にはお宝です☆


・・・・・・・
リンク集
2017年夏ドロミテオルガンアカデミーのご案内はこちら。
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内
イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。


今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。

 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2017-06-19 05:13 | オルガン工房 | Comments(0)

名古屋のゼーニ・オルガン

5月の連休明け、
名古屋の某個人サロンに、
アンドレア・ゼーニ工房のオルガンが建ちました。
まずは完成の、美しい姿をご覧ください☆

f0161652_02275647.jpg

約一年半前からのプロジェクト。
オルガンの目的、どんなレパートリーが主に弾かれるのか、
楽器の仕様、置かれる場所のこと、などなど、
本当に色々なことを噛み砕き噛み砕いて、
一つの楽器の姿を見つけていきます。
それから工房で一年以上かけて部品一つ一つを丁寧に制作。

その楽器は、工房で完成させたあと、解体し、
大きな箱に詰め込まれて、ドロミテの工房から日本まで
遠路遥々運ばれ、いよいよ現地に待望の到着!

f0161652_02373247.jpg
大きな2つの箱に見事にきっちりと納められた全ての部品を、
部屋の中に運び込んでいきます。
後の作業もしやすいように、運び込む置き場所も考えながら。
f0161652_02413564.jpg

土台部分の位置を決めて、モーターと照明用の電気を通し、
箱を組立て始めます。部屋の中は部品でぎっしり。

f0161652_02453672.jpg
工具はほとんどイタリアから持参。
アンドレアの荷物の半分は工具でした。
釘一つ取っても、場所と用途に応じて実に色々な長さ大きさが。
ぱっと使い易いように、種類別に並べておきます。
f0161652_02552797.jpg
外枠がだいぶ形になってきたところ。
この辺りは男の力仕事。
部屋の空間にぴったり合わせて設計したオルガンが、しっくり嵌りました。
お部屋の雰囲気とも見事にマッチ☆
f0161652_02510100.jpg
重い屋根部分や風箱を組み込んで外枠が完成したら、
美しい手彫りの彫刻をはめ込みます。
これは、おらが谷の彫刻師が、
アンドレアの奥さんのデザインを元に彫り出したもの。
このオルガンはサイドも丸みを帯びていているところが「特別仕様」の、
女性的な柔らかい印象の顔を持っています。
f0161652_02525778.jpg
さあ、ここからは本当に細かい作業。
鍵盤をはめ込み、ストップノブを入れ、
全てが連動するように内部のメカニックを繋げていきます。
ミリ単位の、神経を集中させる仕事。
f0161652_03041854.jpg
オルガンの内部はこんな風。
つくづくオルガンって、ものすごいメカの、
でもある意味すごく原始的な仕組み。
でも、そこまでなら車でも機械でも同じかもしれませんが、
オルガンの場合、そこに空気が通って息が吹き込まれて音が鳴り、
音楽が奏でられて人の心に響いていく。
本当に奇跡的に美しい「機械」だなと感動します。
500年近く、オルガンという楽器の基本原理は変わっていないというのも、
それが完全な形である証拠でしょう。
f0161652_03090126.jpg
メカニックが完成したら、いよいよ整音作業。
一本一本のパイプが、その空間で一番美しく鳴るように、
そして他のパイプの音と美しく溶け合うように、
しーんとした中、集中力120%で、音量、音質を微調整していきます。
この作業でこのオルガンのキャラクターが決まるともいえるので、
とてもとても大切な時間。数日かけてじっくり行いました。
f0161652_03110762.jpg
正面の輝くプロスペクトパイプを、指紋がつかないように手袋をはめて、
慎重にセッティングしているところ。
f0161652_03131188.jpg

こうして遂に、美しいお顔のオルガンの完成です!
鍵盤から見上げるとこんな感じ。

f0161652_03222998.jpg
二段鍵盤+ペダル。10ストップあります。
この10ストップに何をどう選択したかも、
ビルダーの腕の見せ所です!
それから、鍵盤タッチの感覚も一つ一つを微調整します。
指にすっと馴染む、繊細で美しい触り心地で、
いつまでも弾いていたい気分にさせられる気持ちよい感覚。
f0161652_03361892.jpg
完成後には、楽器所有者さんの近しい人が集まってくださり、
牧師の祝祷と共に、皆でこのオルガンに合わせて賛美歌を歌いました。
にっこり笑っているかのようなオルガンのお顔。嬉しそう。
それから、小さなお披露目コンサートを弾かせていただきました。
この楽器の美しい音色の組み合わせと、個性を感じていただけるように。
f0161652_03390338.jpg

オルガンって、その一台一台に、
それが制作される誕生のストーリーがあります。
一台一台が注文制作で二つと同じ楽器はありません。
そして、愛してあげれば500年と響き続けることができます。
生まれたばかりの0歳のこのオルガンも、これから沢山愛されて、
豊かなハーモニーを奏でていってくれることでしょう!


・・・・・
リンク集
2017年ドロミテオルガンアカデミーのご案内
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内





[PR]
by organvita | 2017-05-25 06:18 | オルガン工房 | Comments(2)

東京のハウスオルガン

4月末の一週間。
東京のマンションに、練習用のハウスオルガンを搬入&組立しました。
イタリアの工房から一ヶ月前に船で旅立ったオルガンが、無事に到着!

f0161652_19034318.jpg
工房で音が鳴るまで完全に完成させたオルガンは、
一度解体してこの頑丈な木箱に詰められ、送られました。
それを今度は丁寧にほぐして、部屋に運び入れていきます。
f0161652_22061383.jpg
まずは、オルガンの土台部分を組立。
チームは、社長のアンドレア、アレちゃんと私の三人。
f0161652_22154168.jpg
山のようにある部品をパズルのように組み合わせていくと、
だんだんと形が見えてきます。
f0161652_22230545.jpg
手鍵盤が入って楽器らしくなってきました。
f0161652_22261667.jpg
力仕事の他にも、0.1ミリ単位でのメカニックの調整が延々と。
f0161652_22364651.jpg
今度は部屋の音響に合わせて、パイプ一本一本の整音作業。
これが数日続きます。
f0161652_22395526.jpg
そして、約5日間の作業後、とても美しい姿と響きに完成!
楽器所有者さんの教会の神父様が、聖別の祈りを捧げてくださり、
それからアットホームなミニ演奏会を弾かせていただいて、
晴れてお引渡しとなりました。
f0161652_22425961.jpg
防音されていないマンションのお部屋に置かれたので、
なるべく柔らかい静かな音で、でも音色の組み合わせも楽しみたい、
最低限のレパートリーがしっかり練習できて、
長時間練習しても疲れない楽器、というのが想定のこのオルガン。

二段鍵盤とペダル。5ストップを持っています。
パイプを全て箱の中に隠す形をとったことで、
目の前でパイプがガンガン鳴って疲れる、ということが避けられ、
柔らかい温かい音色が耳に優しく伝わってきます。
音をはっきり飛ばしたいときには、スウェルペダルを踏み込めば、
楽器両脇の扉が手前に開いて、開放的な音が外に響く仕組み。
もちろんロマン派のスウェルを使う曲の練習もできて一石二鳥。
f0161652_23005009.jpg

楽器所持者さんから、オルガンの正面には
「3大天使のモチーフを入れて欲しい」とのご希望。
そこで、アンドレアの奥さんがデザインし、
アンドレアがそれを象眼彫刻に仕上げました。
どれも着色していない、自然の木のままの色。
楽器やお部屋の木材の色調ともマッチして、
世界にひとつだけの美しい家具となりました☆
f0161652_23214547.jpg
このオルガンを通じて、これからたくさんの笑顔とハーモニーが
育まれて生きますように☆


追伸:
友達のダーリンが料理人のフランスレストランで、
オルガン完成を祝って皆でお食事したら、こんなサプライズ!
世界にひとつだけのドルチェ☆☆
f0161652_23235386.jpg

・・・・・・・

リンク集
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。

.....
今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。

 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2017-05-19 23:41 | オルガン工房 | Comments(4)

練習用オルガンのご案内 その2

練習オルガンにご興味を持たれていらっしゃる方へ。

実は近日、アンドレア・ゼーニオルガン工房に
一台の練習用オルガンのご注文が入り、
年明けから制作に入る予定です。

そこで、他にどなたか同じものか、または似たような仕様の楽器を
ご希望の方がいらっしゃらないか、この場で恐縮ですが、ご提案させていただきます。
複雑な構造を持つ小振りなオルガンは、数台まとめて制作したほうが、
作る側も買う側も、いろいろな面で節約でき、効率的に制作できるのです。
通常の価格よりも割安にできます。
約1年~1年半後には搬入できます。

おおよその仕様の概観は以下の通りです。

2段鍵盤(58鍵)+ペダル(30鍵)
一段目:Rohrflöte 8, Flöte 4
二段目:Gedackt 8, Rohrflöte 4
ペダル:Sordun 16

II/I, II/P, I/P,
Swell付き、正面に木彫りの装飾
楽器の高さ、約250cm


ご相談からご注文、搬入、アフターケアまで、日本語でも対応いたします。
詳しい仕様書、価格にご興味のある方は、どうぞこちらのメールまでご連絡ください。
ailuebeck@hotmail.com


.............................................

↓↓練習用オルガンのご案内です↓↓
http://organvita.exblog.jp/24524405/


今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。

 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2015-11-02 18:38 | オルガン工房 | Comments(0)

練習用オルガンのご案内

オルガン好きな皆様へ。

アンドレア・ゼーニオルガン工房で、
練習用オルガンのプロジェクトを立ち上げました!
そして、いくつかのパターンをご紹介したパンフレットを
日本語でも作成しましたので、ご案内させていただきます。

f0161652_18375463.jpg


詳細の仕様、価格等をご希望の方には、
PDFまたは郵送でパンフレットをお送りいたします。
この記事下のコメント欄に「非公開コメント」で、
または ailuebeck@hotmail.com
まで
郵送先をお知らせください。

貴方だけの、貴方好みのオルガンをぜひ
ご家庭に、サロンに、練習室に☆☆☆



[PR]
by organvita | 2015-09-30 18:59 | オルガン工房 | Comments(5)

オルガン日本上陸! その2

おらが村から一足先に船で出発していた、もう一つのオルガンが、
私たちの飛行機での到着に合わせて、設置先の御宅に届きました。
こんなクレーン車でやってきた大きな木箱。

f0161652_06040705.jpg

高さ2mはあるこの大きな木箱は、このオルガンを運ぶために作ったもの。
中にぎっしりとパズルのように詰まっているオルガンの全てのパーツを、
順番に解体して家に運び入れていきます。

f0161652_16472568.jpg

設置場所を決めて、まずは外枠から組み立てていきます。
はじめに一階の、メカニックやふいご、鍵盤などが入る部分。

f0161652_16495386.jpg

それから二階の、パイプの部屋になる部分。
背の高いオルガンは、後ろの壁ともしっかりと固定します。

f0161652_17002913.jpg

一台一台がその場所にあわせた特注のパイプオルガンは、
天井の高さにもピッタリ合いました☆
風を起こすふいごを取り付け、送風管を繋げていって、
パイプが乗せられる穴まで風の通り道を作っていきます。
鍵盤や、様々な音色を選択できるストップと呼ばれるメカニックも繋げて、
音が鳴る状態になるまで数日かけてコツコツと組み立てていきます。

f0161652_17054883.jpg

中に並べられるのを待っているパイプたち。
これは木管のパイプ。

f0161652_23052652.jpg

こちらは金属のパイプ。

f0161652_23082151.jpg

手で弾かれる二段の鍵盤と、足で弾くペダルの裏側は、
こんなメカニックで繋がっています。
鍵盤のタッチも精密に調整していきます。

f0161652_23272073.jpg

オルガン正面の飾りを取り付けます。
唐草模様に、楽器を奏でる3人の天使が舞う、オリジナルの美しいデザインは、
このオルガンのための手作り。世界中にここにしかありません。

f0161652_23303266.jpg

さて、メカニック部分が完成したら、
次はパイプの音作りの作業。
パイプを並べて風を通しながら、
この楽器が置かれた空間の中で一番美しく響くように、
一本一本の発音の強さ、音質を調整しつつ、
全体とのバランスを構築していく、とても重要な作業。

f0161652_23385638.jpg

最後に正面のパイプを並べながら調整。
オルガンの全体像が完成した瞬間!

f0161652_23405697.jpg
「ドイツ・バロックのオルガン作品の練習に特に適切な楽器」との、
ご注文主様のご希望からスタートした楽器造り。
415Hzのバロック調律を施し、練習だけでなく、
古楽器とのハウスコンサートも出来るように配慮されています。
アンドレアの音作りは本当に丁寧で美しく、
この「小さな練習楽器」の箱の中ででも、
トリオ・スタイルでも、エコーでも、プレーノでも、
8ストップの音色がどの組み合わせでも実に良くバランスよく溶け合って、
素晴らしい楽器に仕上がりました。
繊細なタッチでよい練習ができそう。私も欲しい~っ!

これから、沢山弾きこまれていくことによって、
このオルガンの魅力が益々育っていくことでしょう!
f0161652_23504575.jpg

普段は演奏する側からの視点で見ているパイプオルガンですが、
制作側の人と密着(!)してお仕事を手伝っているうちに思ったこと:
いや~オルガンって本当に奥が深いっっ!!
一つ一つこうやって丁寧に真剣に作られていく楽器の個性や魅力を、
演奏を通して最大限に表現できるオルガニストになることが、
私の究極の目標でありたい、と改めて感じました。
・・・明日からまた練習だっ!


追伸:
製作中、私たちをいつも癒してくれたウメちゃん。
初日での至近距離が5mくらいあった超シャイな彼女は、
2週間の間に、手からハムを食べてくれるまでに成長?!
恋しいよ~ん☆
パイプが詰まった箱とポーズ。

f0161652_00083573.jpg


今日もご訪問ありがとう。クリックしてね☆
 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2014-12-03 06:31 | オルガン工房 | Comments(6)

オルガン日本上陸! その1

久々の更新です☆

11月に3週間、日本に帰っていました。
夫アレちゃんが勤めているアンドレア・ゼーニ・オルガン工房の楽器を、
日本に2台、搬入&組み立てするお手伝いをしていました。

約一年かけて、特注のこれらの楽器が完成するまで、
一緒に貴重な経験をさせていただき、
現場で晴れて音が鳴ったときは、もう娘を嫁に出した気分(笑)。
これからこのパイプたちにたくさんの風が通って、
多くの人たちに音楽の素晴らしさを伝えていってくれることでしょう。

その一台目は、東京赤羽にある、国際育英文化協会のモーツァルトサロンに入りました。
↓↓社長のアンドレアが、パイプを一本一本並べているところ。↓↓

f0161652_06565818.jpg

イタリアのおらが村の工房で、音が鳴る状態まで完全に完成させた後、解体。
箱に詰められて、船で遥々と日本まで運ばれた、このポジティフオルガン。
この場所で2日かけて組み立て、整音、調律して完成!
持ち運びできる移動型のこの小さな楽器は、
ソロはもちろん、器楽アンサンブルや合唱の伴奏にも最適。


f0161652_05031764.jpg

3ストップ半の音色。
8と4フィートはバスとソプラノに分けることができるので、
音色の組み合わせの可能性も広がります。
文字はアンドレアの奥さんオリーヴァの手書き。

f0161652_05061273.jpg

鍵盤部分も全て工房で手作り。暖かい色合いの木。

f0161652_05110652.jpg

トランペットにも見える唐草模様。

f0161652_05565247.jpg
小さな箱の中には、パイプが整然と所狭しと並んでいます。
f0161652_05171841.jpg


100名収容できる、モーツァルトサロン。
国際育英文化協会は、「聖歌を歌う会」などをはじめ、
積極的な音楽活動をなさっている素敵な施設です。
コンサートもたくさん企画されています。
これから、このポジティフオルガンが活躍する場面も増えていくことでしょう!
皆さま、ぜひ遊びにいらしてくださいね。

f0161652_05322504.jpg


今日もご訪問ありがとう。クリックしてね☆
 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
by organvita | 2014-12-02 07:37 | オルガン工房 | Comments(0)