ヴェネツィアへの船旅

6月2日はイタリア建国記念日。友人に誘われて、ヴェネツィアへの船旅に参加した。
ヴェネト州、トレヴィゾの町をぐるっと流れるシーレ川は、そのままヴェネツィアのラグーナの間を抜けて、アドリア海に流れ出すのだが、この川を、トレヴィソ郊外の船乗り場からヴェネツィアのムラノ島、ブラノ島まで辿る。片道約2時間の旅。

朝9時集合。参加者約150名。これが私たちの乗った船。個人経営の観光船。
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船内部。結構広かった。
小さな売店付き。コーヒーやスナック菓子、地図などを売っていた。
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トレヴィゾ~ヴェネツィア周辺の地図。船旅の行程をチェック。
写真光っちゃったけど、よく見ると、ほんと、ラグーナの範囲って広い。
ヴェネツィア空港に飛行機で降りると、上空からもよくわかります。
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船出発。早速、屋上へあがってみる。
シーレ川は決して大きな川ではなく、この規模の観光船がやっとすれ違えるくらいの幅だろうか。私たちの船は、のんびりゆっくり進んでいく。
その横をたまにモーターボートが追い抜いていく。
山もなく、ヴェネト平野がほんとうに「平野」なんだな、とぼんやりと実感。
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造船所の横を通過。
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支流とぶつかるところに、所々このような「自動お魚釣り機」あり。
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三叉路には道表示。が、水の中から顔を出してた。
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川幅がだんだん広がっていき、ラグーナが見え隠れしてきた。もう建物も見えない。
手前がシーレ川、奥はラグーナ。川の水も海水に変わってくる。
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そして、いよいよ、川とラグーナが出会った!
ラグーナは本当に浅瀬なので、木の杭で道しるべが。これを誤るとすぐに岸に乗り上げてしまうのだ。小さな小さな小島がポツンポツンと浮いていて、その上に建物の廃虚が残されていたりする。塩野七生さんの「海の都の物語」で読んだ、ヴェネツィア誕生の舞台って、この辺りだったんだろうなあ。
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今回の船旅のお供は、この放浪楽士たち。
弾いていたのはなぜかスコットランド民謡だったけど。
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その音楽に合わせて踊るイタリアの若者たち(奥)。
この船には「ヴェネツィアで踊ろうグループ」(なんじゃそりゃ)が乗船していたのだった。
私はそれよりも、この手前のハンプティー・ダンプティー兄弟に釘付け。帽子洒落てる。
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覗き込んでみた船長室。

ヴェネツィアがどんどん近づいてきた。

ヴェネツィアへの船旅_f0161652_17302222.jpgヴェネツィアではパトカーも船。














出発から2時間後、いよいよ始めの上陸地、ムラノ島が近づいてきた(右)。
遠くにヴェネツィア市街、サン・マルコ寺院の鐘楼が見える。
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ムラノ島は、ヴェネツィアン・グラスの島。
色鮮やかな美しい芸術品を並べた店が所狭しと並んでいる。
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ここに来たら恒例。船旅オプションのヴェネツィアン・グラス工房を訪れた。
ヴェネツィアン・グラスについての説明をしているおじさんの横で、職人がすごい早業で
作品作りをデモンストレーション。何回も見てるけど、何回見ても面白い!
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ぶらぶらと夫と島を散歩していて、ある家の前を通りかかったら出てきて、話しかけてきたおじいさん。彼の家の前はこの景色。77歳だとか。でも粋な黒シャツに金のネックレス。が、ロマンスグレーの豊かな胸毛の合間にキラキラしてた。
ここから見える島の説明を全部してくれた。ヴェネツィアを愛しているのね。
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今は定年したけど、昔はこのおじいさんもガラス職人だったとか。
すごく気さくで、「ワイン飲んでけ」と家に入れてくれた。「これはオレが作ったんだ」と
自作のワイングラスに白ワインを注いでくれた。
家の中にもヴェネツィアングラスがたくさん。鏡、花瓶、シャンデリア。
そんな中で目立ってたのが、ムッソリーニの顔を掘り込んだガラスの置き物・・・。
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夫「一人で住んでいるの?奥さんと?」
おじいさん「2回結婚したけど、今は3人目のパートナーと暮らしてる」
夫「で、今のはどうなの?!」
おじいさん「da cambiare(替えたほうがいいね)」
77歳レオナルド、すこぶる元気。10人目の彼女に立候補しといた。


さて、また船に乗って次はブラノ島へ。
ここは15世紀からのレース編みの産地として知られている。
小さな島の中、どこを歩いてもカラフルな家が連なっている。海から帰ってくる船乗りが、自分の家を遠くから見分けられるように塗った、ってどこかで読んだ。かなり強烈な色彩なのに、それがまた回りと上手く合っているところ、さすがセンスあるなあ。
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外に干すことまで見込んで選んだんじゃないの?と思わせるベットシーツと壁のパステル。乾いてもずっと干しておいて欲しい。
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家の前でお店を開いていたヴェニスの小商人&商犬。
可愛さに負けて、ヴェネツィアン・グラスでできたネックレスを8ユーロで購入。
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ブラノ島は、イタリアのオペラ作曲家B.ガルッピが生まれたところ。オルガン・チェンバロ作品もたくさん残している。広場には彼の胸像、その向かいには生家がある。
ガルッピという名前から、小学校のときにクラスで育てたグッピー(魚)を連想してしまうのは私だけ?でしょう・・・。いえいえ、そんなに小さくない、偉大なイタリアの作曲家です。
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「ヴェネツィアで踊ろうグループ」が教会の前で踊っていた。
参加したかったけど・・私たちがすると盆踊りになってしまうので、見学応援組に回る。
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美味しい魚料理を食べて、ゆっくりブラノ島を満喫した後、午後5時に船集合。
夕立が背中から追ってくる中を、シーレ川を登っていく。
この写真だけみてると、ちょっとオランダみたい?!
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今でこそ、ヴェネツィア本島へは電車でパッと入れるものの、ちょっと昔まではずっとこういう航路で陸と関わっていたヴェネツィア。一日のんびりと船に身を任せ、昔からの漁村や職人が住むヴェネィアの島々をぶらぶら闊歩しながら、ローカルなヴェネツィアの遠足を楽しんだ。


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Commented by gomamama at 2008-06-05 22:21 x
やっほー、愛ちゃ~ん! 再びドイツに戻ってきました~。
コンサートに愛ちゃんのご両親様が聴きに来てくださいました。とても嬉しかったです。
沢山の素敵な記事に引き込まれ、全部読ませていただきましたよー。
船旅もいいねぇ。今がいい時期なのかな。イタリアの平野なんだね。
77歳のレオナルドさん、可愛い愛ちゃんのために10人目まで頑張っちゃいそう!どうする~?^0^
Commented by organvita at 2008-06-06 04:57
gomamamaちゃん!お帰りなさい~!日本は満喫できたかな?!
コンサートおめでとう&お疲れさま!ステキなコンサートの様子は母から早速聞いてるよ~(^^)。
またそちらのブログも再開かな?!遊びに行くね。
Commented at 2008-06-06 07:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by organvita | 2008-06-04 19:04 | イタリア紀行 | Comments(3)

北イタリア・ドロミーティ渓谷で暮らすパイプオルガン弾き吉田愛のスローライフを綴っています。猫のバンブー♂も度々登場。


by organvita
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