神奈川のハウスオルガン
2017年 06月 19日
神奈川県、三浦半島にあるご家庭に、
アンドレア・ゼーニのハウスオルガンがやってきました。
デザインや音色の種類、お部屋や用途に合わせて
一台一台特注制作されるパイプオルガン。
それぞれの楽器に、それが生まれるまでの温かいストーリーがあります。
イタリアの工房で一度お披露目された後、解体し、
大切に大切に梱包されて、長旅を終えた大箱が、
無事に日本の玄関前に到着!
駐車場で箱を解体しながら、部品を家の中に運び入れていきます。
お部屋の中は部品でいっぱい。
これがこの箱の中にすっぽり収まっていくのだから凄い。
ある程度箱に収まったら、正面の飾り細工を嵌め込みます。
ここからがいよいよ要とも言える作業です。
パイプ一本一本に命を与える整音作業、そして調律。
一本ずつが美しく歌うように、そして他のパイプとも溶け合う音色になるように、
決して妥協せず、自分がイメージしている響きへと、
アンドレアは数日かけて根気強く、息を吹き込んでいきます。
また、美しいタッチの練習ができるよう、鍵盤の調整も綿密に施します。
木調の温かい雰囲気のリビングにとても似合っています。
沢山の願いと祈りが込められたこの楽器。
音楽を愛するご家族の団欒の場に、
美しいハーモニーを響かせる楽器となってくれることを願っています。
観音開きの扉をつけました。
夜など、扉を閉めたままで小さな音で練習することもできます。
正面パイプは王冠のように並ぶように。
それに合わせて、アンドレアの奥さんがデザインし、
おらが谷の木彫り職人が彫り出した彫刻を施しました。
オルガンケースよりも白い木を使って、彫刻が浮き立つようにするのは
ゼーニオルガンの特徴のひとつ。明るい印象です。
赤色の木を使って、おしゃれに統一感を持たせています。
このオルガンに使われている木の種類をざっと数えてもらったら、
なんと12種類もありました!一つの楽器で森林浴ができそう。
一台一台の楽器に求められている姿にできるだけ近づこうと、
自分の理念を崩すことなく、常に柔軟に探究し続ける姿には、
生粋の職人気質とプロフェッショナルな魂を強く感じます。
だから、彼の楽器は一台一台に個性があって、面白いです。
追伸:
常にチャレンジャーなアンドレア。
納豆にも挑戦しました!
人生二回目。一回目の時の納豆と味が違う、と。
よく噛み締めてるんだなあ~(笑)。どこまでも真面目な職人さん。
タイトル「製作中の楽器をバックに納豆を食べるオルガンビルダー」。
この一枚は、私的にはお宝です☆
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リンク集
2017年夏ドロミテオルガンアカデミーのご案内はこちら。
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内
イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。
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