ドレスデン・聖母教会のオルガン
2014年 10月 01日
ニュルンベルクから電車で北へ4時間。
ドレスデンにやってきました。
第二次大戦中、1945年に徹底的に焼き尽くされたドレスデン。
戦後すぐに街の再建が検討され、今でも修復作業が続けられています。
空襲にも耐えた強靭なこのフラウエン教会も、
1000度以上にも及んだ火災熱によって教会の石の柱が溶け、崩れ落ちますが、
戦後、崩れ落ちた石ひとつひとつに番号を振り、
1734年に建てられた当初と完全に近い状態に再建する、という、
まさに根性の修復作業を2005年に終えました。
落成式が行われてから、来年で早10年を迎えるそうです。
教会の壁の、所々黒い石はオリジナル、後は新しく再建された部分。
(教会の裏側の方は、黒い部分が多かったです)
今日では平和の象徴でもある、このフラウエン教会。
そのため、毎日何度も礼拝や祈りの時間が持たれ、
音楽活動もとても盛んな教会です。
そんな教会で、8月のある日、
オルガンコンサートを弾かせていただいてきました。
入り口には素敵なポスターが。
円筒型の教会内部はこんな風。
今世紀に建てられた完全なバロック様式の建物。
煌びやかで上品な色合いに、しばし見とれてしまいます。
青=信仰、黄=希望、赤=愛の三色で表現されています。
祭壇の上にはオルガンが鎮座。
バロック時代に東独地方に多くの名器を制作したG.ジルバーマンの、
最高傑作のひとつに数えられるオルガンがあった、この教会。
この美しいファザードは、その当時の楽器を再現したもの。
1736年にそのオルガンのお披露目演奏会をJ.S.バッハが弾き、
その後、弟子G.ホミリウスがオルガニストを勤めたという、由緒ある教会でもあります。
普段は入れない場所に特別に入れてもらえました☆
あまりに大きすぎて、その遠近感がいまいち掴めない。。。
ふんだんに使われている金箔ももちろんホンモノ。
その祭壇の上にあるオルガンは、近くから見るとこんな感じ。
(このオルガンの正面ケースだけで約一千万円だとか!)
演奏台から上を見上げると、オルガンが見えないくらい大きい。
私の大きな顔よりも大きな顔の天使が、見下ろしています。
私よりお肌つるつるで美白。
オルガンケースはジルバーマンの再現。でも中身は、現代のオルガン。
ストラスブールのケルン社製:4段鍵盤+ペダル、約70ストップ。
日中は教会が開かれているので、夜中練習時間をいただいて音決め&練習。
こんな大きな空間なので、どうなることかとちょっと恐ろしげでしたが、
とても弾きやすい楽器で、時間を忘れて楽しく練習☆
コンサートよりも、その前の自分だけの時間が一番贅沢で楽しかったりする☆
(アレちゃん早く私にも弾かせて・・・)
本番直前、オルガンの演奏台から下を望むと、こんな感じ。
沢山のお客さま・・・が小さすぎてイマイチ感覚掴めず(笑)。
なのに、あの遠いところへバランスよく音色が降り注ぐように、よく整音された楽器。
残響が透明で、細かいニュアンスもちゃんと伝わってる!
この教会のオルガニストを勤めるのは、サムエル。
http://www.samuelkummer.de/
町が一望できる教会の塔の上に連れて行ってもらいました。
サムエルとはドイツ留学時代に、あるコンクールで知り合ってからのお友達。
こんな形で再会できてとっても嬉しい☆
「コンクールの最中に落雷があってオルガン動かなくなったよね」とか(ホント)、
思い出話や近況報告し合ったりして楽しい数日を過ごしました。
いつか日本でも演奏してもらいたいなー!
素晴らしいオルガニスト、しかも即興の名手です!!
フラウエン教会の数々のイベントはこちらのHPで見れます。
http://www.frauenkirche-dresden.de/
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ヨーロッパの修復にかける魂って、すごい力がありますよね。ドレスデンも紹介していたんですね。見たかったです!そうですね、教会としてももちろん機能しているんですが、それ以上に劇場として専門的な経営もかなりしっかりされている場所でした。日本のコンサートホール並みです!
行きたかったです!!東京からだとちょっと遠かった〜(笑)。
1996年に、瓦礫にナンバーをふり修復中の聖母教会を前にした時、本当に可能なのかな?と思ったものでしたが、2007年、見事に修復された教会を見て、感慨深く・・・。
そんな歴史的な教会でのコンサート、素晴らしかったでしょうね。
是非聴きにきていただきたかったです☆ウィーンからだと割りと近かったですよね?!私もおぼろげに、修復作業の様子を当時まだ日本のテレビで見ていた記憶があるのですが、それがこんな美しい教会に蘇ったのですもんね。ドイツ人ってすごいと思いました。ドイツの歴史が刻まれている場所に一瞬でも立てて感慨深かったです。