オットーボイレンのバジリカ

南ドイツの観光地、ノイシュヴァンシュヴァイン城があるフュッセンの町から、
北西に一時間。オットーボイレン Ottobeuren という町で、コンサートを弾いてきました。
おらが村からは車で約5時間の旅。

のどかな牧草地帯を抜けるアウトバーンを飛ばしていくと、
遠くからでもこの町のバジリカの二本の塔が見えてくる。
オットーボイレンのバジリカ_f0161652_2354482.jpg

このバジリカには、ベネディクト派の大きな僧院が隣接しており、今でも20名程度の修道僧が暮らしているとか。

巡礼教会としても有名なほか、最近日本でも見かけるようになった、ドイツの浴槽剤、
「クナイプKNEIPP」(超お勧め。私、ドイツに行くとまとめ買いします)の創始者、
クナイプ牧師の生まれた町としても知られ、バジリカの近くには、クナイプ療法が体験できる公園もある(しかし私は練習に必死で行けず・・・泣)。

荘厳な教会とは不釣り合いなくらい、町は小さくとってもかわいらしい。
教会すぐ脇の町の広場。すぐ後ろには牧草地帯が広がっていて、
春の肥料の匂いがほんわか漂ってくる☆。
オットーボイレンのバジリカ_f0161652_238741.jpg
さあ、教会の中に入りましょう!
バロック&ロココ様式がぎゅっと詰まった内装に、入った瞬間から圧倒される。
オットーボイレンのバジリカ_f0161652_23145951.jpg
延々と続く天井画。どこまでが壁画でどこが彫刻なのか、区別がつかない。
遠くに見えるけど、近づけばたぶん天使は等身大くらいあるに違いない。
隙間がないほど溢れているのに、ゴチャゴチャした印象がないのが素晴らしい。
オットーボイレンのバジリカ_f0161652_23181583.jpg
祭壇に一番近い天井画。今日も快晴。
オットーボイレンのバジリカ_f0161652_23251223.jpg
さて、この教会には、南ドイツのバロック様式の素晴らしい楽器があることで有名。
祭壇に向かって右と左に、それぞれ独立した二つの楽器が向かい合って鎮座している。
18C南ドイツオルガン製作家、K.J.リープ Karl Joseph Riepp(1710-1775)の傑作。

実は10年くらい前、留学先の音大のオルガン科学生のツアーで一度来ているんですが、まさか同じこの場所に、(しかも)イタリア人の旦那と南からやってくることになるとは、当時はとてもとても思わなんだ・・・。人生マジわからん。
オットーボイレンのバジリカ_f0161652_2335433.jpg
祭壇に向かって左のこちらのオルガンは、教会併設の修道院側についているため、
女子は入っていくことができないんです!私にとっては一生夢で終わる楽器(爆)。
オットーボイレンのバジリカ_f0161652_23421613.jpg
・・・ちなみに、オチですが、「オットーボイレンで弾いた」といっても、教会は町に
いくつもあるわけで。。。この教会でコンサートを弾けたわけではないのであった(爆)。続く。



にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ ←今日もご訪問ありがとう。
Commented by fumieve at 2012-03-29 06:46
うわ~ひゃーーーすごいっ!!!・・・って、あっそういうオチでしたか。
それにしても、見事なドイツ・バロック・ロココですね。町のシンプルな外観からは、ほんと想像もつきませんね。
専科の学生さんたちのツアーで見学にくるほどのオルガンのある教会・・・の町でのコンサート、続報楽しみにしていまーす!
Commented by woodstove at 2012-03-29 07:05
不謹慎でしょうが、敢えて「ゴージャス!!」と叫びたくなる装飾ですね!! (^_^)
 それにしても女人禁制とは。。。。僕が代わりに弾きましょうか。。。って無理ですわな。(^^;)
Commented by organvita at 2012-03-30 21:46
fumieさんへ。
オチが自分でも笑えてしまうのですが、100年後にはビックになってここで弾かせてもらえるように修行続けます~(爆)!
Commented by organvita at 2012-03-30 21:48
woodstoveさんへ。
ゴージャスなこの教会、めっちゃ寒かったんですよ。オルガンのパイプから温風が出てこれば良いのにって夫と話してましたが、可能ですか?!笑。woodstoveさんがオルガン弾く可能性のほうが、私が鉄を打てるようになる可能性よりもずーーーっと大きいですっ!
Commented by eithbed at 2012-03-31 02:55
愛さん、、、お写真撮ったのですか?素晴らしい!!なんとも素敵なところですね。ドイツで、オルガンを弾く。イタリアとは又違う素敵さがあるでしょうね。
Commented by gpo-higuchi at 2012-04-04 14:44
イヤ〜・・・まいりました!凄いです・・・(。◕‿◕。)
空間に形と色その中で音ですか・・・
写真とは言え、堪能しました。いいですね〜
Commented by organvita at 2012-04-05 04:56
eithbedさんへ。
カメラにすべて収まりきれなくて、どこを向いてとっても画面いっぱいに芸術が溢れてました。オルガンも絵のように、国によって音の色合いとかセンスが違ってくるんですよ^^。だから聴き歩くだけでも楽しいのです☆
Commented by organvita at 2012-04-05 05:03
gpo-higuchiさんへ。
コメントありがとうございます☆全くその通りです!目で楽しみながら耳で聴く、贅沢な時間ですよね。
Commented by ふいご屋 at 2012-04-07 20:50 x
懐かしい! あそこの楽器、修道院側でない方ですが、弾いたことがありますよ。ふふふ。
Commented by organvita at 2012-04-08 03:54
ふいご屋さんへ。
こんばんは!そうでしたか!さすが、見逃しておりませんねっ!いつか是非修道院側のほうに潜入してレポートしてください~!!
Commented by VOLOS at 2017-12-27 11:49 x
ネットでオットーボイレンを調べていてたどり着きました。この教会のパイプオルガンに興味があったからです。と言うのも、ジャズピアニストのキース・ジャレットが1970年代後半に、ここのオルガンで即興演奏しレコード録音しているからです。2枚組の大作「Hymms/Spheres」です。
写真を拝見して一度訪れてみたくなりました。ありがとうございます。
Commented by organvita at 2018-01-09 05:06
VOLOSさんへ。
コメントをどうもありがとうございます!
ここを訪れた時に修道院の売店でそのCDが売っていて買いました☆オルガンで即興してくれるジャズピアニストは多くないので、しかもこの素晴らしい楽器での演奏、貴重ですよね!!
by organvita | 2012-03-28 23:48 | ヨーロッパ紀行 | Comments(12)

北イタリア・ドロミーティ渓谷で暮らすパイプオルガン弾き吉田愛のスローライフを綴っています。猫のバンブー♂も度々登場。


by organvita
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31