聖体祭 Corpus Domini

日曜日はカトリックの祭り、聖体祭。
おらが村の教会のミサに参列した。

朝10時からのミサには、座るところがないくらいたくさんの人が集まっていた。
約一時間の教会内でのミサが終わると、これから聖体を掲げた神父さまと共に、村人全員が村を行進していく。

先頭を切る村の楽隊に続くのは、数週間前にプリマ・コムニオーネを受けた子どもたち。
夫の勤める工房の社長の息子も参列している。彼らのお役目とは、道に花びらを蒔いていくこと。みんな手に、花びらの入ったかわいい籠を携えている。
f0161652_17553510.jpg

f0161652_1835975.jpg社長アンドレアはスピーカー係として登場。
私たちに見つかって照れ笑い。











そして神父さまが掲げる聖体が続く。村の消防隊が天幕を担いでいる。
f0161652_18115351.jpg

昨日のジーロ・ディタリアで、自転車が駆け抜け大騒ぎだったこの通りも、今日は雰囲気が一変。温かく厳かな雰囲気で満たされていく。
f0161652_18173349.jpg

           子どもたちによって道に蒔かれていった花びら。
                  その上を神父さまが歩く。
f0161652_18204415.jpg

                道の途中に仮設されていた祭壇。
このような祭壇が3箇所用意され、それらをぐるっと巡りながらミサを行っていくのだ。
f0161652_18243385.jpg

行列の間、村の楽隊が演奏している。
普段はチロル音楽を演奏している彼らも、今日は賛美歌の演奏。
教会の聖歌隊もそれに加わる。
f0161652_18275995.jpg

            二つ目の祭壇。様々な花で美しく彩られている。
f0161652_18304961.jpg

f0161652_1833181.jpg行列に続く村人














3つ目の祭壇での祈り。
f0161652_18352444.jpg

                  花であしらった細工が美しい。
f0161652_18405050.jpg

          一時間ほどかけて村を巡り、また教会に戻ってきた。
       教会へ近づくと鐘楼の鐘が鳴り出し、私たちを大きな音で迎え入れた。
                      結構感動だった。
f0161652_18431375.jpg

教会の中へ入って、最後の感謝の祈り。楽隊の響きが石造りの教会にこだまする。
f0161652_18464785.jpg

村人と温かい一時を過ごせた日曜日の朝。
土地の人が信仰しているものを共有するって素敵な体験だと思う。


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ ←クリックしていただけたら嬉しいです。
[PR]
# by organvita | 2008-05-26 18:59 | ドロミテの景色 | Comments(0)

ジーロ・ディタリア Giro d'Italia koneta

ジーロ・ディタリアが、おらが村にやって来た!
この競技はフランスの「トゥール・ド・フランス」にあたる自転車ロードレースで、3週間かけてイタリア各地を一周する。自転車はヨーロッパではとてもポピュラーなスポーツ。
このロードレースもテレビで中継される。
昨日は「ヴェローナVerona→アルペ・ディ・パンペアーゴAlpe di Pampeago」ルートの日。195Kmの終着点、おらが村のすぐ裏にあるパンペアーゴに入る直前、おらが村の村内を通過するので、夫と楽しみにしていた。

おらが村中もすっかり応援モード。あちこちにピンク色の旗や風船が飾られ、ムードが盛り上がっていく。いつもは静かなおらが村の上をヘリコプターが飛び交い、広場に観光バスが並び、イタリア放送局RAIの報道車もやってきた。
f0161652_0152579.jpg

f0161652_026619.jpg観光案内所も、
f0161652_028116.jpgカメラ屋さんも、
f0161652_0322497.jpgバールも、
十字架のイエス様も、みんな応援しています。
f0161652_0343241.jpg

広場にヘンな車が。「信~じられないお値段!」と妙にハイテンションな女性の声のテープを流しながら商売していた陽気なおじさん。
f0161652_0383336.jpg


f0161652_0403444.jpg応援グッツ一式10ユーロ。
おじさん、ピンクが妙に似合ってる。












このルートは起伏が多い山越えコース。おらが村のあるフィエンメ渓谷に入る直前に、マンゲン峠(Passo Manghen)という峠を超えてくるのだが、ここは私も普段、車の坂道運転で苦労しているところなので、どんなに大変かよくわかる。しかも自転車でだ。脱帽。
近くにやってくるまで、まずは家のテレビで観戦&応援。
峠の上にはまだ雪が残っているようだ。
f0161652_0484594.jpg

おらが村にいよいよ近づいてきた!急いで外に出ると、村人たちがすでにたくさん集まって、道を作っていた。近くのバールのテレビから聞こえてくる中継に耳を澄ます。
そして、やってきた!ダントツ一位のランナー、エマヌエーレ・セッラ(Emanuele Sella)!
f0161652_0553721.jpg

すごい坂道なのに、すごい速さ!二回目のシャッターを押した時にはもう後姿。
腕、足の筋肉がすごい!カッコイイ~!
f0161652_12116.jpg

しばらく遅れてから、2,3位を狙う自転車の大群が通過。
f0161652_161372.jpg


f0161652_110217.jpgイタリア国旗、ジーロ・ディタリアの旗が翻り、村人たちの熱い歓声が飛び交う中を、選手たちが寡黙に駆け抜けていく。
f0161652_1244332.jpg選手の後を、自転車を載せた車が続く。
これは大変な競技だ!!
















おらが村はゴール前8km地点。しかしこの後、傾斜16%の最後の難関が待ち構えているのだ。まだまだ安心できない。
f0161652_1284798.jpg

ゴール地点の様子は、近くのバールに駆け込んで観戦した。
さっきおらが村をダントツで通過していったセッラが、そのままゴールを飾った模様。
ちなみに、翌日の今日、ドロミテ山岳横断コース「モエナMoena→マルモラーダMormorada」ルートも彼が一位だった。昨日4時間半も走り続けたのに、すごい体力と精神力!
f0161652_132489.jpg

おらが村の昔の納屋が開放され、歴史あるジーロ・ディタリアの写真展をしていた。
f0161652_1415612.jpg

素晴らしい写真が並ぶ中、私的に一番ウケたこの一枚。
ちょっとピンボケちゃったけど、そのほうがよかったね・・。
f0161652_1444993.jpg


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ ←クリックしていただけたら嬉しいです。
[PR]
# by organvita | 2008-05-26 02:03 | ドロミテの景色 | Comments(4)

日本人・中国人

運動不足と、お互いにチョット気になるお腹を引き締めるべく、夫と10回コースの水泳教室に通っていた。
私たちは夫婦揃ってカナヅチなので、入ったクラスはもちろん初級コース。
お陰で、私は25メートル楽に完泳できるように、夫は顔を洗うのも億劫なくらい水が怖かったのに、息継ぎを覚えてバチャバチャ泳げるように。水泳教室、偉大なり。
気分転換にもなるし、水泳、これからも続けようと思う。

ちなみに、おらが村の隣にある、この谷営のプール、片壁が全部ガラス張りになっていて、山々やスキー場を見ながら泳げるので開放感バッチリ。お勧めスポット。
フィエンメ渓谷にヴァカンスに来る方、ぜひ水着持参でどうぞ(^^)。
f0161652_1556332.jpg
最終日、こんなカワイイ賞状をいただいた。イタリアでもらった初めての賞状。
これからコンサートプロフィールにも載せようかな。
「イタリアにおいてピッシーナ・マイスターコース参加、賞状を送られる。」とか。
(ピッシーナ=プールの意)
私の名前、ちゃんと書いてもらったの久しぶり・・・。大抵間違ってかかれるのだ・・。こんなに簡単なのに、ヨーロッパ人にすると、母音だけで成り立っている私の名前は「あり得ない」んだとか。あり得ないっていわれても・・・(涙)。大抵「愛知ってるか?!ヨーロッパでは机の角に足の小指をぶつけちゃったときに「アイッ!」って言うんだ」って笑われるのがお決まり。私はひたすら「アモーレよっ!リーベよっ!」っていって説得してるけど。
f0161652_16104173.jpg

「気になるお腹対策」で始めたものの、最終日には仲間たちとピザやさんへ迷いもせず直行。ビールも飲み、デザートもしっかり食べて、10回のコースで超ナイスバディになってたのに(ウソ)、一気にもとに戻ってしまった・・。ていうか、逆効果?

さて、ここから本題なのだが、このピザ・パーティーで私の前に座ったおばさんが、「あなた何人?」と聞くから「日本人」と答えると、「あら、私の従兄弟は日本人と結婚して、この谷のXX村に住んでるのよ。最近子どもも生まれてねえ~。」
ええええええ~?!?!?!?!
てっきり私はこの谷唯一の日本人かと思っていたのに!!!中国人の経営する中華レストランは一軒あるし、中国系のヒトはたま~に見かけたことあるけど、まさか同国のヒトがこのド田舎にまだいたなんて!!!
でも、ちょっと半信半疑な私。「中国人じゃないの?」って念を押しても「ううん、確かに日本人よ!」と。親戚の人がそういうんだから、やっぱり日本の方なのかも!
勇気を出して、連絡先を聞いて、電話をかけてみた。
やっぱり心強いですもの、近くに日本語で話せる同邦人がいてくれると思うと。
私「もしもし、あなたの従姉妹から電話番号もらって電話かけてます。奥様が日本人だと伺ってうんぬん。」
ダンナ「妻は中国人だ」

田舎に住むイタリア人のアジアに対する認識なんて、こんなもの・・。
中国人の奥様と、それでも同じアジア人同士、おしゃべりでもできたら楽しいかな?!
中華料理教えてもらったりして!なんて思って話を続けたけど、どうやらダンナの気分を損ねてしまったらしく、奥さま電話に出してもらえなかった・・・。

そういうわけで、「フィエンメ&ファッサ渓谷在住唯一の日本人」タイトル、今日も更新中。
~なんて、もしどなたか他にいらっしゃいましたら、是非ご連絡を!一緒にドロミテ見ながら緑茶飲みませんか?


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ ←クリックしていただけたら嬉しいです。
[PR]
# by organvita | 2008-05-23 16:53 | ドロミテの生活 | Comments(15)

ジェノヴァ観光

演奏会翌日は、ジェノヴァの町を観光した。よく、仕事で旅行できていいね、と言われるけれど、実際は教会・ホールとホテルの往復で、なかなかゆっくり町を見れないのが現実。しかし、せっかく遠い山からはるばるやって来たので、今回は都合をつけて一日長く滞在することにした。
町にはドロミテの山では決して見られないトロピカルな植物が至る所に生えていて、お天気はいまひとつだったものの、私たちは開放感ですっかりびよんびよん~。
f0161652_2336896.jpg

f0161652_233524100.jpgホテルの庭に生えていたオレンジの木。これは苦いのでマーマレードや化粧品として使うんだとか。
サボテンもその辺に当たり前のように群生している。ああ、南国~~~。

















観光といいながら、真っ先に私たちが訪れたのが、ジェノヴァのコンセルヴァトーリオ(音大)に最近入った新しいオルガン・・・なんだから、これはもう職業病・・。色気なし。
ビルダーは、デル・ロルト・ランヅィーニ(Dell'Orto & Lanzini)というイタリアの名工のひとつ。昨日はオルガン弾いてた夫が、今日はビルダーの顔に戻って「ライバル」工房の楽器をふんふん言いながら試している。ホールに入る楽器の宿命だけれど、残響がゼロに近い場所での整音こそ大変なことはないらしい。この楽器は、イタリアの工房らしい柔らかい整音が施され、その上に、フランス・ロマン派の作品も弾けるように上手く配慮された3段鍵盤の楽器。演奏台は写真の手前に突き出した箱部分の裏側にある。f0161652_2344269.jpg
f0161652_23574714.jpg
演奏台。木工も丁寧な作業が施されていた。


















さて、オルガンはいい加減そこまでにして、バスを乗り継いで旧市街へ。
勝手のわからない町での乗り物移動は難しいものだが、バス停でおばさんに「旧市街に行きたいんだけど」と聞いたら「なら私と一緒にこれに乗って!」と肝っ玉風。バスの中でも「こことここを見ていくように」なんて教えてくれていると、周りの人もどんどん会話に参加してきて「いや、あっちのほうがいい、あそこも見逃すな」などと、あっという間に5~6人が円陣組んでいた。
ジェノヴァの人は海に面しているからか、暖かい気候がそうさせるのか、360度山に囲まれて育ったドロミテのシャイな山男たちと違って、明るく開放的な印象。

その人たちのご指示に従って、まずやってきたのがイエス教会。フェラーリ広場の裏。
ここにはルーベンスの祭壇画がある。「イエスの割礼」。他にもたくさんの貴重な絵画で埋め尽くされている。ジェノヴァに行く方、必見です。
f0161652_0192865.jpg
後ろには黄金のオルガンが。(詳細わかりません。ごめんなさい)
f0161652_0222710.jpg


f0161652_0255332.jpgイタリアでよく見かけるロウソク型の献金箱。
普通は本物のロウソクを買って火をつけるのだが、これはお金を入れるとどこかのロウソク型の電気が点灯する仕掛け。
煤がでないとか、火事にならないとか、いろんなメリットがあるんだろうけど、ちょっと味わいないよなーと思ってしまうのは私だけ?笑。

f0161652_035376.jpgドゥオーモ、サン・ロレンツォ教会。
黒と白の大理石の入り口が圧巻。
f0161652_0384482.jpg昔の人はほんとうにすごいなあ。

中では、地元の中・高校生か修学旅行生か、先生が説明する教会の歴史を学んでいた。私たちが京都や日光に行く感じかな。
このゴシック様式の内陣に、バロックの豪華絢爛な祭壇、その上に新古典様式の真っ白なクーポラがぽっかり覗いているという、時代のパッチワークみたいな教会。
f0161652_0411112.jpg
窓と時計以外、全部絵画です。(サン・ジョルジョ宮殿)
町にはこういう「だまし絵」みたいな建物が多かった。
f0161652_6282294.jpg
ジェノヴェーゼの移動手段はミニバイクらしい。こんなに並んでいるから始めバイク屋さんかと思った。実際車で市内を走ってみると、駐車場は一杯だし高いし、一方通行の嵐だし、バイクが結局便利そう。しかし朝のあのバイク集団(?!)は、さながら中国の自転車みたい。数日後にローマ法王のジェノヴァ訪問があるとかで、町中は更に交通規制されていて、交通事情の悪いミラノよりも怖かった・・。
f0161652_6581445.jpg


f0161652_705143.jpg片側が海、反対側にはすぐに小高い山が接近しているジェノヴァは、坂道、細道が多い。
























今回のジェノヴァ観光のメインは、ヨーロッパ最大といわれているこの水族館!私は初めて。夫は数年前に来たとき、たまたま水槽の大掃除中でほとんどお魚見れなかったとか。水族館のある港には、昔の帆船も繋がれ、椰子の木が並び、横浜の山下公園みたい。
f0161652_6304828.jpg

f0161652_6393313.jpg水族館の中は平日にも関わらず、魚と同じ数くらいの子ども集団でごった返していた。
こうやってグループごとに、水族館専属のお姉さんが、子どもたちに魚の説明をしながら進んでいく。
私もどさくさにまぎれて聞いちゃったりして。
水槽を通して写真撮ったのでイマイチですが、本当はもっときれいな赤だった。
f0161652_6453259.jpg
見た目はかわいいのに、これピラニア。
f0161652_6483886.jpg
ニモはヨーロッパでも人気キャラ。
f0161652_652588.jpg
お魚さわっていいよコーナー大繁盛。
f0161652_755851.jpg
水族館は大きな水槽を下からと上からと両方見れるような造りになっていた。
やっぱりペンギン、イルカコーナーの前がすごい人だかり。
大阪にある海遊館と比べるとイマイチ迫力には欠けるけど(日本人は箱の中にアトラクション作るのは世界一だと思う!遊園地とかデパートとか)、それでも2時間たっぷり遊ばせてもらった。
f0161652_7104881.jpg
最後に、妙に親しみを感じたこのヒトたち。全然動かないから置き物かもと疑った。
私もどうせならこのくらいのんびりのんびり長生きしたいものだなあ・・・。


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ ←クリックしていただけたら嬉しいです。
[PR]
# by organvita | 2008-05-20 00:49 | イタリア紀行 | Comments(2)

ジェノヴァ サン・アンナ教会のオルガン

山を降りて高速道路で西に約5-6時間、イタリア最大の港湾都市ジェノヴァへ、夫とともに演奏の仕事に行ってきた。
招待してくださった「ヨーロッパ・オルガンフェスティバル2008」は、今年で30年目を迎え、ジェノヴァの教会やホールにあるオルガンを使ったコンサートを企画している。
今回私たちが弾かせていただいたのは、カルメル会修道院内にあるサン・アンナ教会。
オルガンはN.アガティ(Nicomede Agati)という、トスカーナ州ピストイア出身のオルガンビルダーが、1852年に製作した楽器。
山を降りて、久しぶりに訪れた大都会。その喧騒とする街を見下ろす小高い山の上に立つこの修道院の教会には、外の世界と打って変わって、平和と安らぎに満ちた、なんともいえない暖かい雰囲気で満ちていた。

教会内部。祭壇の向こう側には、修道士専用の会堂が続いている。
f0161652_17245477.jpg

祭壇と反対側、入り口上部のバルコニーにあるオルガン。
早速、このオルガンの音色や鍵盤の感触を試していく。
夫、演奏台で試奏中。私、下からバランスチェック中&写真撮影も忘れずに。
f0161652_17332313.jpg


f0161652_17471651.jpg
カルメル会の聖人の像が会堂を取り囲み、その下には告悔室が。
告悔が始まると、次の人がうっかり入って来ないように、上に「使用中」の赤いランプが点る様になっていた。意外とモダン。
イタリアらしい透明な色彩で描かれた、クーポラの天使たち。
f0161652_17554137.jpg

演奏会の前に結婚式があり、私たちの練習中にお花屋さんが美しく祭壇を飾っていった。
季節に合わせた白いアジサイと赤いバラの取り合わせがきれい。
f0161652_1803067.jpg

f0161652_1871394.jpg
さて、バルコニーに上がってみると、天から降ってくる光線のような細いパイプが並んでいた。

f0161652_1812367.jpg
典型的なイタリアの歴史楽器の演奏台。譜面台の彫刻が美しい。(楽譜に文字を書くとき、ちょっと書きにくかったけど・・・)

修復はA.コルノ兄弟(A.Corno&figli)、1992年。

f0161652_1821758.jpg
指に吸い付くような気持ちいいタッチの鍵盤。
イタリアのオルガンにしては、少し重め。
足のペダルの上にはペダレットと呼ばれる「オプション」機能を操作できるレバーが並ぶ。














音色を操作するストップ。25種類。右列の上側、掃除機の柄のようなものが右側からニョっと押し出しているのがわかるだろうか。これはペダルの足元にあるレバーの「Tira tutti(=全部引っ張る、の意)」を踏み込むと、テコの原理に従って出てくる。
この足元レバーひとつ踏み込むことで、ここに並ぶこのオルガンのメインのストップが一気に仕込める仕組みで、ストップを一つ一つ手で操作する手間を省ける。楽譜上で、ここからパッと大音量で!なんてやりたいときに大変便利。
それにしても、なんて単純なアイディア!イタリアのオルガンには大抵ついているけれど、イタリア人らしい楽観的な発明だな、と微笑ましく思うのは、私だけではないと思う。
f0161652_18262427.jpg

恒例(?!)おもしろストップ名。(写真ぶれちゃってごめんなさい)
「Cornetto chinese」=中国人のコルネット(←管楽器)。
16フィートベースの5度管だった。ドの鍵盤を弾くと5度上のソが鳴る。他のストップと組み合わせると、倍音豊かな不思議な音色の効果が。キョンシーのテーマ曲(古い・・)とかに似合いそう。でも修道院で弾くには勇気がいるな。
「中国」がストップ名に出てくるのを見たのは初めて。giapponese(日本人)だとどんな音になったんだろう?!
その下は、Voce angelica=天使の声。柔らかいビブラート効果の出るストップ。
f0161652_18475556.jpg

演奏会10分前、バルコニーからの様子。(写真なんか撮ってないで集中して欲しい・・叱)
演奏会は夜9時から。イタリアのコンサートは始まりが遅い。お客さんは夕食を家で済ませてから出かけてくるのだ。オルガンはお客さんの背中側になるので、演奏している姿を見たい人は、その辺から椅子を勝手に探してきて、こっち向きに座っている。
f0161652_2162625.jpg

私たちが演奏したのは、イタリアの連弾曲2つ、そしてイタリアのソロ作品をそれぞれ弾いた。オペラ作曲家ベッリーニのオルガン作品、ヴァレリ、モランディなど。
一般的なイタリアオルガンに対して、ここのオルガンは一つ一つの音がはっきりと大きく、太いなあ、というのが私の印象。それもそのはず、このビルダー、N.アガティは、当時イタリアでもいち早く、他のヨーロッパの国の新しいオルガン製作技術を、自身の楽器制作にも積極的に取り込んでいった人物らしく、風圧も高い。男性的なスカッと気持ちのよい響きを楽しませてもらった。ホント、いい楽器って何時間弾いてても疲れない。

それにしても、私はドイツに留学したくらいだから、レーガーとかブクステフーデとかバッハとか、ドイツもの漬けの学生生活を送っていたのだが、こういうイタリアン・レパートリーを、しかも自分のコンサートプログラムにモリモリ組み込まざるを得なくなるとは全く想像していなかったけど、所変わればオルガンも変わる、で、今となっては、こういう底抜けに陽気なイタリア作品も楽しんで弾けるようになってきた。楽譜と一対一で何時間にらめっこしてもわからないことも、日常の何気ない生活の中に、ヒントが隠れていることも多い。

さて、「演奏は演奏後のビールを飲むためにある」と言われるように(誰が言ってるのか知らないけど)、私たちも演奏会後、地元のトラットリアに連れて行ってもらい、乾杯!
ジェノヴァといえば魚。早速メカジキのステーキを注文。メカジキの上に、オリーブ、松の実、バジリコソース(←ペスト・ジェノヴェーゼはここの名物)がかかったもの。絶品!
f0161652_22113881.jpg
付け足し。このカルメル会修道院には、修道士が17名いるとか。知り合った修道士さんたちは意外と若い年代も多く(20代の若者も多かった)、とても気持ちのよい明るい人たち。数週間、数ヶ月での修道院体験もできるそう。
修道院の中庭を案内してくれた。
f0161652_22282196.jpg
修道院内には1750年(バッハの没年!)から続く薬局があり、修道士さんが自然薬品を調薬、販売している。記念にバラのエキスのシロップをいただいた。
体の中がきれいになりそう~。
f0161652_22303378.jpg


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ ←クリックしていただけたら嬉しいです。
[PR]
# by organvita | 2008-05-19 19:04 | 見た弾いたオルガン | Comments(2)