山の料理

渓谷には大きな一本道がずっと走っているが、そこから左右にたくさんの細道が、山に向かって伸びている。
住み始めたころは、この一本道しかしらなくて、両端がすぐ山でちょっと退屈に思っていたけれど、この左右の細道を探検するようになると、意外な別世界が広がっているのを見つけたりと、未だに驚かされることが多い。山って奥が深い。
そんな中でも最近の私の「発見」場所はここ。
ある日、道を間違ったがために偶然見つけた、お気に入りの場所!
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写真には写っていないけれど、小さな小さな、松の木に囲まれた美しい池があったり
(夫はこの池を日本庭園と呼んでいる)、な~んとものどかで平和な景色。
こんなところに放牧された動物って幸せだろうなあ。
ここの草は特別ウマか。

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お馬専用カー。

この大自然の中に、ポツンと一軒たたずむ農家。
ここでは自家製サラミや燻製ハムなどを製造している。
しかもレストランが隣接していて、この大自然を味わいながら、舌でも味わえるという
ステキ空間。日本から知人ご夫婦が遊びにいらしたので、早速お連れした(というより、かなり強引に・・?!)。
手前が直売店、奥がレストラン。
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中は木組みの落ち着いた空間。暖炉には火が燃えていた。
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4人で頼んだ、レストランお任せ郷土料理コース。
まずは前菜。サラミ、スペック(スモークハム)、生ハム、鹿の燻製ハムなどなどの盛り合わせを、ピクルスと西洋サワビで口をリフレッシュさせながら。
この時点でかなりお腹満足。しかしまだまだ続くのだ。
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次に運ばれてきたのは、大きなボール型のお皿に入れられた、大麦入りの野菜スープ。
ここにパルメザンチーズをふりかけて。
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すっごく美味しい初めての味!しかし、調子に乗って食べつくしてしまってはいけない。
メイン料理が入るお腹のスペースを空けておかなければ。
・・・と知りつつも、つい二杯目をよそっちゃった。

ビール&地元のビオ赤ワイン(絶品!)も手伝って気ん持ちよくなってきたところに、
やってきました~!メインの豚料理盛り合わせ。
豚のスネ肉、豚のアバラ肉、豚の燻製ウインナーハンバーグがこんもりもりもり。
下にキャベツの酢漬けとカネデルリ(この辺りの郷土料理。砕いたパンを丸めて作る)が完全に埋もれてた・・。
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それに添えて(っていう感じの上品さはないけど・・・)食べるのが、このポレンタ。
トウモロコシ粉で作ったもの。トレンティーノ・アルトアディジェ州には、パスタの伝統はなく、つい最近までこっちが主流だったとか。日本人がお米を食べる感覚かな。
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ちなみに、イタリアのトレンティーノ・アルトアディジェ州以外の人が、この地方の人たちを「小バカに」するとき、このポレンタをネタに出してきて、「牛のウン○を食べるやつら・・・」って言うとかなんとか。まあそう見えなくも・・・いえいえ。まだ食事中です。美味しかったですよ、ポレンタ。

お腹パンパンパン。豚を食べた私が豚になってる。
しかし私の別腹は、すんなりととても好意的にデザートを受け入れ(夢中でまた写真忘れました・・)、その後お店からのサービスで飲んだ、リンゴ味のグラッパ(ワインの搾りカスを蒸留してつくるブランデー)をくいっと飲んで、かなり上機嫌で帰宅。
ドアを開けてベットに直行。ああ、完全に豚。
でも本当に美味しかった!また行きたいね、と夫。
豚が牛に変身するかモーね。


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# by organvita | 2008-06-01 08:15 | ドロミテの景色 | Comments(10)

ミシェル・ブヴァール氏の演奏会を聴く

フランスを代表する世界的オルガニストの一人、ミシェル・ブヴァール氏が、トレントの教会音楽フェスティバルの一環でリサイタルにいらしたので、聴きにいってきた。

場所はトレントのクリスト・レ教会(Chiesa Parrocchiale di Christo Re)。
この教会には、夫の勤める工房が事実上第一作目として1994年に制作した、
ドイツ・バロック様式のオルガンがある。2段鍵盤+ペダル、19ストップ。
さっぱり白い壁のモダンな教会。祭壇の周りをめぐらす高いアーチのデザインに、
オルガンが上手くマッチしている。
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演奏台。鍵盤は指に吸い付くように気持ちいい。
演奏会直前、リード管の調律をしている社長と手伝い夫の横で、無邪気に写真撮影中。
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演奏会のプログラムは、まずバッハのプレリュード&フーガ ニ長調 BWV532 で華々しく幕開け。そしてメンデルスゾーンのピアノ変奏曲のオルガン編曲版(とてもヴィルトゥオーゾ!)、その後フランス古典作品が続き、最後にブヴァール氏のお祖父様の作品が披露された。一時間の演奏会があっという間に感じられたほど、本当に素晴らしい演奏を聴かせていただき、大感動~!「ドイツ・バロック様式のオルガン」と、ある意味限定された楽器なのに、フランスものも、メンデルスゾーンも、それぞれのレパートリーが本当に活きた音作りで、ただただ感服。工房社長も、オルガンの魅力を十二分に引き出してもらってとても嬉しそう。夫、半分シゴトだったのもすっかり忘れて、ハート型の目で「サインください」。

ブヴァール氏は教育者としても素晴らしく、彼のもとで学び、その後第一線で活躍されている日本人オルガニストの方も多くいらっしゃる。日本へもよく来日されているから、その演奏を聴かれた事のあるファンも多いだろう。

実は彼、今年9月に再来日のご予定だ。しかも折りしも私の第3の故郷、岩手県の盛岡市民文化ホールでリサイタルをされるという。当ホールには、フランスの名工ガルニエ・オルガン工房が造った素晴らしいバロック様式の楽器があり、ヨーロッパや日本のオルガニストたちからも絶賛されている。
「ウワサは聞いてるよ!」とブヴァール氏もとても楽しみにしている様子だった。
ああ、私も飛んで帰りたい~!

またとないこの機会、是非みなさま足を伸ばしてみてください。
詳細はこちらからどうぞ。チケット発売間近です。
【財団法人盛岡市文化振興事業団】


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# by organvita | 2008-05-28 18:31 | 見た弾いたオルガン | Comments(4)

聖体祭 Corpus Domini

日曜日はカトリックの祭り、聖体祭。
おらが村の教会のミサに参列した。

朝10時からのミサには、座るところがないくらいたくさんの人が集まっていた。
約一時間の教会内でのミサが終わると、これから聖体を掲げた神父さまと共に、村人全員が村を行進していく。

先頭を切る村の楽隊に続くのは、数週間前にプリマ・コムニオーネを受けた子どもたち。
夫の勤める工房の社長の息子も参列している。彼らのお役目とは、道に花びらを蒔いていくこと。みんな手に、花びらの入ったかわいい籠を携えている。
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f0161652_1835975.jpg社長アンドレアはスピーカー係として登場。
私たちに見つかって照れ笑い。











そして神父さまが掲げる聖体が続く。村の消防隊が天幕を担いでいる。
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昨日のジーロ・ディタリアで、自転車が駆け抜け大騒ぎだったこの通りも、今日は雰囲気が一変。温かく厳かな雰囲気で満たされていく。
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           子どもたちによって道に蒔かれていった花びら。
                  その上を神父さまが歩く。
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                道の途中に仮設されていた祭壇。
このような祭壇が3箇所用意され、それらをぐるっと巡りながらミサを行っていくのだ。
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行列の間、村の楽隊が演奏している。
普段はチロル音楽を演奏している彼らも、今日は賛美歌の演奏。
教会の聖歌隊もそれに加わる。
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            二つ目の祭壇。様々な花で美しく彩られている。
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f0161652_1833181.jpg行列に続く村人














3つ目の祭壇での祈り。
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                  花であしらった細工が美しい。
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          一時間ほどかけて村を巡り、また教会に戻ってきた。
       教会へ近づくと鐘楼の鐘が鳴り出し、私たちを大きな音で迎え入れた。
                      結構感動だった。
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教会の中へ入って、最後の感謝の祈り。楽隊の響きが石造りの教会にこだまする。
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村人と温かい一時を過ごせた日曜日の朝。
土地の人が信仰しているものを共有するって素敵な体験だと思う。


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# by organvita | 2008-05-26 18:59 | ドロミテの景色 | Comments(0)

ジーロ・ディタリア Giro d'Italia koneta

ジーロ・ディタリアが、おらが村にやって来た!
この競技はフランスの「トゥール・ド・フランス」にあたる自転車ロードレースで、3週間かけてイタリア各地を一周する。自転車はヨーロッパではとてもポピュラーなスポーツ。
このロードレースもテレビで中継される。
昨日は「ヴェローナVerona→アルペ・ディ・パンペアーゴAlpe di Pampeago」ルートの日。195Kmの終着点、おらが村のすぐ裏にあるパンペアーゴに入る直前、おらが村の村内を通過するので、夫と楽しみにしていた。

おらが村中もすっかり応援モード。あちこちにピンク色の旗や風船が飾られ、ムードが盛り上がっていく。いつもは静かなおらが村の上をヘリコプターが飛び交い、広場に観光バスが並び、イタリア放送局RAIの報道車もやってきた。
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f0161652_026619.jpg観光案内所も、
f0161652_028116.jpgカメラ屋さんも、
f0161652_0322497.jpgバールも、
十字架のイエス様も、みんな応援しています。
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広場にヘンな車が。「信~じられないお値段!」と妙にハイテンションな女性の声のテープを流しながら商売していた陽気なおじさん。
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f0161652_0403444.jpg応援グッツ一式10ユーロ。
おじさん、ピンクが妙に似合ってる。












このルートは起伏が多い山越えコース。おらが村のあるフィエンメ渓谷に入る直前に、マンゲン峠(Passo Manghen)という峠を超えてくるのだが、ここは私も普段、車の坂道運転で苦労しているところなので、どんなに大変かよくわかる。しかも自転車でだ。脱帽。
近くにやってくるまで、まずは家のテレビで観戦&応援。
峠の上にはまだ雪が残っているようだ。
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おらが村にいよいよ近づいてきた!急いで外に出ると、村人たちがすでにたくさん集まって、道を作っていた。近くのバールのテレビから聞こえてくる中継に耳を澄ます。
そして、やってきた!ダントツ一位のランナー、エマヌエーレ・セッラ(Emanuele Sella)!
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すごい坂道なのに、すごい速さ!二回目のシャッターを押した時にはもう後姿。
腕、足の筋肉がすごい!カッコイイ~!
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しばらく遅れてから、2,3位を狙う自転車の大群が通過。
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f0161652_110217.jpgイタリア国旗、ジーロ・ディタリアの旗が翻り、村人たちの熱い歓声が飛び交う中を、選手たちが寡黙に駆け抜けていく。
f0161652_1244332.jpg選手の後を、自転車を載せた車が続く。
これは大変な競技だ!!
















おらが村はゴール前8km地点。しかしこの後、傾斜16%の最後の難関が待ち構えているのだ。まだまだ安心できない。
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ゴール地点の様子は、近くのバールに駆け込んで観戦した。
さっきおらが村をダントツで通過していったセッラが、そのままゴールを飾った模様。
ちなみに、翌日の今日、ドロミテ山岳横断コース「モエナMoena→マルモラーダMormorada」ルートも彼が一位だった。昨日4時間半も走り続けたのに、すごい体力と精神力!
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おらが村の昔の納屋が開放され、歴史あるジーロ・ディタリアの写真展をしていた。
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素晴らしい写真が並ぶ中、私的に一番ウケたこの一枚。
ちょっとピンボケちゃったけど、そのほうがよかったね・・。
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# by organvita | 2008-05-26 02:03 | ドロミテの景色 | Comments(4)

日本人・中国人

運動不足と、お互いにチョット気になるお腹を引き締めるべく、夫と10回コースの水泳教室に通っていた。
私たちは夫婦揃ってカナヅチなので、入ったクラスはもちろん初級コース。
お陰で、私は25メートル楽に完泳できるように、夫は顔を洗うのも億劫なくらい水が怖かったのに、息継ぎを覚えてバチャバチャ泳げるように。水泳教室、偉大なり。
気分転換にもなるし、水泳、これからも続けようと思う。

ちなみに、おらが村の隣にある、この谷営のプール、片壁が全部ガラス張りになっていて、山々やスキー場を見ながら泳げるので開放感バッチリ。お勧めスポット。
フィエンメ渓谷にヴァカンスに来る方、ぜひ水着持参でどうぞ(^^)。
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最終日、こんなカワイイ賞状をいただいた。イタリアでもらった初めての賞状。
これからコンサートプロフィールにも載せようかな。
「イタリアにおいてピッシーナ・マイスターコース参加、賞状を送られる。」とか。
(ピッシーナ=プールの意)
私の名前、ちゃんと書いてもらったの久しぶり・・・。大抵間違ってかかれるのだ・・。こんなに簡単なのに、ヨーロッパ人にすると、母音だけで成り立っている私の名前は「あり得ない」んだとか。あり得ないっていわれても・・・(涙)。大抵「愛知ってるか?!ヨーロッパでは机の角に足の小指をぶつけちゃったときに「アイッ!」って言うんだ」って笑われるのがお決まり。私はひたすら「アモーレよっ!リーベよっ!」っていって説得してるけど。
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「気になるお腹対策」で始めたものの、最終日には仲間たちとピザやさんへ迷いもせず直行。ビールも飲み、デザートもしっかり食べて、10回のコースで超ナイスバディになってたのに(ウソ)、一気にもとに戻ってしまった・・。ていうか、逆効果?

さて、ここから本題なのだが、このピザ・パーティーで私の前に座ったおばさんが、「あなた何人?」と聞くから「日本人」と答えると、「あら、私の従兄弟は日本人と結婚して、この谷のXX村に住んでるのよ。最近子どもも生まれてねえ~。」
ええええええ~?!?!?!?!
てっきり私はこの谷唯一の日本人かと思っていたのに!!!中国人の経営する中華レストランは一軒あるし、中国系のヒトはたま~に見かけたことあるけど、まさか同国のヒトがこのド田舎にまだいたなんて!!!
でも、ちょっと半信半疑な私。「中国人じゃないの?」って念を押しても「ううん、確かに日本人よ!」と。親戚の人がそういうんだから、やっぱり日本の方なのかも!
勇気を出して、連絡先を聞いて、電話をかけてみた。
やっぱり心強いですもの、近くに日本語で話せる同邦人がいてくれると思うと。
私「もしもし、あなたの従姉妹から電話番号もらって電話かけてます。奥様が日本人だと伺ってうんぬん。」
ダンナ「妻は中国人だ」

田舎に住むイタリア人のアジアに対する認識なんて、こんなもの・・。
中国人の奥様と、それでも同じアジア人同士、おしゃべりでもできたら楽しいかな?!
中華料理教えてもらったりして!なんて思って話を続けたけど、どうやらダンナの気分を損ねてしまったらしく、奥さま電話に出してもらえなかった・・・。

そういうわけで、「フィエンメ&ファッサ渓谷在住唯一の日本人」タイトル、今日も更新中。
~なんて、もしどなたか他にいらっしゃいましたら、是非ご連絡を!一緒にドロミテ見ながら緑茶飲みませんか?


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# by organvita | 2008-05-23 16:53 | ドロミテの生活 | Comments(15)