モンツァ大聖堂のオルガン

ミラノの北にある街、サーキット場があることでも有名なモンツァ Monza で、週末、夫と
コンサートを弾いてきた。ミラノに近いからか、かなりお洒落な街。道行く人のファッションセンスが高い。おらが村から下山した私としては、久々の刺激。キョロキョロしながら歩いている私の横で夫も「みんなイカシテるね~!」とため息ついてる。しかし「イカシテる=美しい」に当たるイタリア語に「belle」と言っていて、ってことはbelloの女性複数形なので、
・・・女の子ウォッチングしていたことが妻にバレてますよ。
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街角で売っていた風船。ずいぶん慌てん坊のサンタクロースもお目見え。
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f0161652_23311159.jpgそして、こちらが
モンツァ大聖堂。
ファザードが美しい。
教会前の広場で青い空を見つめる、水色の男の子。
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f0161652_23373313.jpg教会に入ると、
そこは別世界。
一面フレスコ画で埋め尽くされている!
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長い教会に対して、左右対象に向かい合うようにして作られた、2台のオルガン。
イタリアやスペインではよく見られる配置。
今回は、この向かい合う楽器を色々に使って、ソロ&4手連弾&2台オルガンの演奏。
夕方のヴェスプロ(音楽礼拝)、続くミサ、夜の1時間のコンサートと、3連チャン。
教会の閉まっているお昼と夜に、この広い会堂貸切?で練習&音決めさせてもらった。
フレスコ画も一人(二人)占め。さながら美術館。いや、美術館よりも迫力あり。
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まずは、祭壇向かって左側のオルガン。
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オルガン:
メッツラー・オルガン工房 Metzler 2002年製作。
2段鍵盤+ペダル。 38ストップ。 440Hz。
ドイツ・バロック様式のオルガン。

脇に取り付けられたオルガンなので、見た目も決して大きいものではない。
しかし、弾いてみると低音が充実したすごくイイ鳴り。下で聴いていると3-4段鍵盤あるかと思う。美しい残響と共に、非常にいい楽器。中の作りもとても丁寧。
さすがのメッツラーです。私の憧れ工房のひとつ。
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そして、祭壇向かって右側のオルガン。
譜面台が二つあるところに要チェック!実は、一台に見えるこのオルガンの中に、二つの全く性格の違うオルガンが組み込まれている。
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オルガン:
ザニン・オルガン工房 Zanin 2002年制作。

左側: 一段鍵盤+ペダル(手鍵盤からのカプラーのみ)。 12ストップ。 
     492Hz。(普通より完全一度高い) メゾトニック調律。
     イタリア・バロック様式のオルガン。

右側: 一段鍵盤+ペダル(手鍵盤からのカプラーのみ)。 6ストップ。 440Hz。
     この楽器は、反対側にあるメッツラーのオルガンと同じ調律が施されており、
     オルガニストは背中を向かい合わせにして、2台で連弾できる、というわけ。
     下で聴いている人にはステレオ効果。

ちなみに、この並んだ二つの演奏台を同時に使っての連弾はできません。
音の高さも調律も違うので。
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ということは、どういうことかというと、この教会には3台のオルガンがあるってこと!しかもその3台がそれぞれ個性的。この3台はそれぞれ別々に作られたのではなく、初めから「3台のタイプの違う楽器を、2台オルガン連弾もできるように」というコンセプトで同時に作られているので、上手くいったのだと思う。
曲に合わせて、オルガニストはあっち行ったりこっち行ったりして、楽器を選べる。
なんて贅沢~!!

このザニン・オルガンの左側の方の楽器は、12フィートが基準。
どういうことかというと、オルガンは普通、下のドの音から始まるが、この楽器は更に5度下のファから始まっている。(写真でみてください)
これだけのことだけど、それによって、一段しかない小さなこういう楽器でも、手の位置を一オクターブ上げ下げしたり、選ぶストップによって使える音色と音域がぐっと広がるから便利。古いオルガンにたまに見られる。
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オルガンに登る階段。今回はちょっと優雅。
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教会入り口に張ってあった演奏会のポスター。イタリアはセンスがいいなあ。
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弾いた曲は、音楽礼拝ではザニン・オルガンを使って、イタリア、スペイン、イギリスのルネサンス~バロックの作品を、ソロと連弾で。
続くミサでは、メッツラー・オルガンで、オール・バッハのコラール前奏曲。
夜のコンサートでは、メッツラーとザニンの右側オルガンを使って、バッハとバッハの息子&弟子たちの作品を中心に、ソロ&一台で4手連弾&2台連弾を。

夫とはよく連弾をするし、ポジティフ・オルガンを使った2台連弾はしたこともあったが、
こうやって完全に向かい合った大オルガンで2台連弾したのは、実はこれが初めて。
二人の距離が遠いので、残響の長い教会でどうなるのかちょっと心配だったけど、自分の音も向こうの音も良く聴こえるように出来ていて、すんごく楽しい経験をさせてもらった。
イタリアでの今年最後のコンサート、これで終了です。
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長くなりますが、ちなみにこの教会には、イエス・キリストが処刑された時の十字架に打たれた釘を使った王冠がある。見せて頂いたが、かなり伝説的なこの話は、どこまでホントなのかわからないけれど、いずれにしてもご利益のある聖なる王冠なんだとか。詳しくはこちら。ロンバルディアの鉄王冠
王冠&教会のフレスコ画、オルガンと、見所の多い素晴らしい教会です。
お洒落な街でのショッピングも楽しめるし、ミラノからも近い。お近くの方は是非!


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by organvita | 2008-11-17 06:47 | 見た弾いたオルガン | Comments(10)
Commented by yuuk at 2008-11-18 07:38 x
モンツァでのコンサート、お疲れ様でした。
とっても行きたかったんです!が、車がないので、コンサートのあと、トリノまで帰ってこられない恐れが(チェントロ住まいでない悲しさ)。それで断念・・・残念でした。
とってもすてきなコンサートだったようですね!
私がオルガンに興味を持つきっかけになったコンサートに誘ってくれた友人が、「モンツァのドゥオーモのオルガンは2台じゃなかったっけ?」と言ってましたが、こういうことだったんですね。
私には、まだまだ謎だらけのパイプオルガンですが、こういうふうに説明していただけると、よくわかるし、本当におもしろいです!
もっともっと、知りたくなってます〜。

ところで、その友人が、愛さんのオルガンを聴きたいと言っているのですが、CDなどを出されていますか?
Commented by momoyo at 2008-11-18 18:05 x
こんにちは。すごい教会&オルガンですね!ため息をつきながら写真を見て、記事を読ませていただきました!これからもブログ楽しみにしています!
Commented by organvita at 2008-11-18 20:41
yuukさん、いつもコメントありがとうございます(^^)。
そう言っていただけると、オルガンの写真載せ甲斐があります~!私にとっても、ここは面白い体験でした(^^)。オルガンって一台一台全然違うので、現場に行ってみないとわからないこともたくさんありますし!

ところで、CDですが、ソロCDはまだないのですが、2年前に日本で3人のオルガニストと共同で作ったものはあります。詳細はこちらです。http://www.mfca.jp/news/071110cd.html
ここへ直接ご注文いただいても良いですし、イタリアに持ってきているので、私からお送りしても構いません!(そのほうが安くて早いですよね)
よろしければ、非公開コメントで住所をお教えくだされば、お送りします。
Commented by organvita at 2008-11-18 20:46
momoyoさん、コメントありがとうございます!嬉しいです(^^)。
こちらこそ、「北」の情報は、いつもそちらのブログで拝見しています!また遊びに伺います!
Commented by お家大好き at 2008-11-19 06:54 x
愛ちゃんお帰りなさい!
素敵で楽しい経験ができて良かったね^^!
本当にフレスコ画の素晴らしい大聖堂だねぇ。*0*
私もため息つきました。^m^
近いうちにお電話させていただきますね。

Commented at 2008-11-21 20:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ひろりん at 2008-11-26 16:07 x
492Hz!のメゾトニックって、どんな時代にどのあたりで
使われていたものなのですか?
Commented by organvita at 2008-11-27 06:33
ひろりんさん、うーん。良い質問ですね・・。私もその辺詳しく知らないのですが、イタリアだと北に多いようです。でも北ドイツにも全音高いメゾトニックのオルガンたくさんありましたし、結構広く一般的にあったのではないかと・・・。フランスは無さそう・・雰囲気的に・・・?
どなたか詳しくご存知の方、教えてください!
Commented by アンジー at 2009-09-10 17:28 x
初めて書き込ませていただきます。モンツァのドゥオーモについて検索していたらこちらのブログへたどり着きました。
実は、わたくしあのドゥオーモのすぐ近所に住んでいるのですが(ほんと、裏に住んでいます)、情け無いことに、あの教会の中にあんな立派なオルガンが3台もあったことも、コンサートが行われていたことも気がついていませんでした・・・。
気がついていればっ!次回organvita さんがモンツァで演奏される機会があったら、是非かけつけます! その日を楽しみに待っています。
Commented by organvita at 2009-09-13 07:07
アンジーさんへ。始めまして!ご訪問&コメントどうもありがとうございます。
モンツァのドゥオーモの裏にお住まいなんですか?!素敵っっ!お洒落な町ですよね。私たち田舎夫婦はすっかりのぼせてしまいました。
オルガンコンサートは割と頻繁にしているようですよ。教会も素晴らしかったです。また弾きにいけると嬉しいのですけど!その時にはぜひお会いしたいです。そちらのブログにも伺います☆
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