武蔵野大学 雪頂講堂のオルガン

東京・武蔵野台地に広がる豊かな緑の中に、武蔵野大学はある。
入り口を入ると、週替わりの標語や詩の書かれた美しい文字が。
行く足を緩めて、ふと心静める瞬間。
武蔵野大学 雪頂講堂のオルガン_f0161652_0311087.jpg
緑に溢れた校内を進んでいくと現れる雪頂講堂。
舞台の上には、天女の舞う襖、その上にはパイプオルガンのパイプが並んでいる。
これぞ当に、和洋折衷!
オルガン
W.ボッシュ社 Op.812 1989年設置。
3段鍵盤+ペダル。38ストップ。 電気式アクション
パイプ総数:2097本
武蔵野大学 雪頂講堂のオルガン_f0161652_0362595.jpg
浄土真宗の教えに沿ったこちらの仏教大学では、定期的にこの講堂で、礼拝(らいはい)が行われている。お昼時間になると、学生や講師の先生方が講堂に集まってくる。
私が練習に伺っていた合間にも行われていたので、学生たちに混じって参列してみた。
この気になる襖を開けると、「南無阿弥陀仏」と書かれた掛け軸が。
入り口で仏歌の楽譜をいただき(学生は出席カードも)、着席。
鐘が鳴り、一同合掌、代表の先生がお焼香。
オルガンの前奏・伴奏で、皆で歌う。歌詞がカタカナで難しい。
代表の先生による短い講話を聞き、そしてまた皆で合掌、歌。
この写真は、退場時に撮ったもの。舞台の左側で、オルガンの後奏を弾かれているのは、本学教授の伊藤繁先生。
武蔵野大学 雪頂講堂のオルガン_f0161652_0504852.jpg
実は私はこのような、オルガン付きの仏教礼拝に参列したのは初めて。非常に興味深かった。オルガンは一体何弾くの?と思われる方も多いと思うが、教会の賛美歌のような、
4声体の曲が多かった。それが、気持ち日本音階を使っていたりして、不思議な気分にさせられる。もちろんアーメン唱はないです(笑)。
仏教の施設にパイプオルガンが入っているところなんて、世界中見渡しても、日本くらいなのではないでしょうか?しかしそれが、なぜか不思議と合ってる。オルガンの音色って、宗教の枠を越えて、人の心を癒すことができるのかな。
礼拝が終わって伊藤先生の所に行って、「先生!オルガン合いますね~!」と素直な感想を言ったら、とても嬉しそうに「でしょ?でしょ?!」と。
この独特な空間から、日本ならではのオルガン作品がどんどん生まれていったら素晴らしいなと思った。作曲家の皆さん、興味ありませんか?!

さて、このオルガン演奏台は移動式。演奏台からパイプへは、電気信号で繋がれている。演奏台から出ている太いチューブが、その2部分をつなぐ鍵。中はケーブルの束。オルガンの演奏会の時は、こうやって襖を閉め、オルガン演奏台を中央に移動して演奏する。
武蔵野大学 雪頂講堂のオルガン_f0161652_192915.jpg
こちら武蔵野大学では、ほぼ毎月、お昼休みの時間に「パイプオルガン・プロムナードコンサート」を催しておられるのだが、偶然にも、私が先週弾かせて頂いたこの回は、丁度、
第100回目。おめでとうございます!100回続けてやってこられたって、すごい事です。
私が演奏した曲は、イタリアのオペラに通じる賑やかな作品たち。子供連れで聴きに来てくれた友人曰わく、2才のお子さん、リズムとってノリノリだったとか?!いい子じゃいい子じゃ。アシスタントをしてくれたオルガニストの小島弥寧子さんも、リハーサルの時から、
ギャハハハ~何この曲!おもろい~!と横で大ウケ。ツィンベルシュテルン Zimberstern (鈴がシャラシャラと鳴るストップ&オルガン中央に付いてる星が回転する)を、即興で沢山入れてくれた。てか、一番楽しんでたのは、たぶん私(^^)。

次のオルガンコンサートは、10月31日(金)午後2時40分から、一時間半の贅沢プログラムで。演奏は、オルガニストの高橋博子さん、トランペットの佐藤友紀さんと共演です。
武蔵野の紅葉狩りしながらの昼下がり、皆さん是非お出かけ下さい(^^)。
武蔵野大学 雪頂講堂のオルガン_f0161652_143215.jpg

にほんブログ村 クラシックブログへ にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ ←天女さまにワンクリック。
Commented by gomadoufu at 2008-10-19 00:37 x
8日の朝にこのページで見つけた雪頂講堂でのプロムナードコンサートにお邪魔しました。そもそもは偶然に愛さんのことを、おもしろいブログをしてる人、オルガンの人、イタリアにいる人、くらいに少し知り、ひと月前くらいから読者になったばかりでした。武蔵野大学にも雪頂講堂にも初めて入れていただいて、たまたまがいくつも重なったような、不思議な運びのうちに、素敵なコンサートに浸らせていただいて、とても楽しかったです。3曲はあっという間、フルートのためのアダージョ、音色もかわいらしいですね。オルガンは欧州旅行の教会で、日本では大ホールで、しか知りませんので、こんなにかわいらしくて不思議なところにあることにびっくりしてしまいました。最後のポルカ、るんるんの愛らしさですね。愛さんの雰囲気にぴったりでした♪まんなかでくるくる回りだすお星様に目が釘付けでした。またぜひ演奏会にお邪魔させていただきますね。ブログのほうも楽しみにしております。
Commented by organvita at 2008-10-20 01:08
gomadoufuさま、嬉しいコメントをどうもありがとうございます!!
8日の朝に見つけられて、そのままの足でいらしてくださったんですね!感動です~!!!!あっという間の短いコンサートだったかと思いますが、学生さんなんかも来て下さっていて、私も若返りました?!
あそこではほぼ毎月コンサートを催されているようなので、また是非お出かけ下さい(^^)。
今週の水曜日に、横浜のみなとみらいホールというところでまた演奏します。この間と同じ曲も弾きます。オルガンがもっとビックになるので、演奏も音色も更にハデになる予定?!よろしければまたお出かけ下さい~。
嬉しいお言葉を糧に、これからも更新頑張ります。また覗きにいらしてくださいね。
by organvita | 2008-10-12 01:57 | 見た弾いたオルガン | Comments(2)

北イタリア・ドロミーティ渓谷で暮らすパイプオルガン弾き吉田愛のスローライフを綴っています。猫のバンブー♂も度々登場。


by organvita
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31