ボルカ・ディ・カドーレのカッリード・オルガン

おらが村での演奏会の翌日、ドロミテの谷をいくつも越えて、ドロミテの反対側、コルティーナに近い、ボルカ・ディ・カドーレという村に出かけた。約2時間半の旅。
運転手は、前日素晴らしい歌声を聴かせてくれた、久美ちゃんの旦那さま。
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途中、お昼に寄った山小屋レストランの庭で見かけた人々。
この椅子レンタル料、一回2ユーロ(330円)。
私もゴロッとしたかったけど、涙を呑んで目的地へ向かう。
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そして、到着しました。ここがボルカ・ディ・カドーレという村。おらが村よりも更にはるかに小さい。今晩はこの教会で演奏会を弾くのだ。
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教会に入ると、美しいイタリアン・オルガンケースの楽器が、会堂後ろのバルコニーに鎮座していた。
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この楽器は、夫の思い出の楽器。若かりし頃、初めて参加したオルガンコンクールが、
このオルガンを使ったものだったとか。夜のコンサートには、その時にホームスティでお世話になった家族も聴きに来てくれていて、懐かしい思い出話で盛り上がっていた。
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ボルカ・ディ・カドーレのカッリード・オルガン_f0161652_16212589.jpg早速オルガンへ。
恒例オルガンへの階段。
いつもにも増して急な傾斜。降りるのがこれまた怖い・・。
鍵盤の様子。
オルガン:G.カッリード(1791年制作)
イタリアのこの時代の楽器にしては大規模の、2段鍵盤!このオルガンは幸いにも、
建てられた1791年から、ほとんどオリジナルの状態で残されている。
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今日は夫と二人でソロ&連弾。夫、早速懐かしの楽器で音作り開始。
オルガンのメインストップ、プリンシパルを引っ張って、鍵盤を2、3つ押してみる。
うわー!なんてきれいな音!!
いい楽器って、2,3つ音を聴いただけでも、すぐにいい楽器だってわかる。
ああ、幸せ。最近ちょっと忙しかった疲れが、この音色で吹っ飛んだ。
夢中になって二人でリハーサル。いい楽器は、いくら弾いても疲れません。これ、ホント。
このまま引き続けていたいけど、夜のコンサートの分の体力をとっておかないとね。
それでも4時間ほど音決め&練習。
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この楽器にはふいごが二つ。左側のほう、ふいごの場所を確保するために、おもむろに壁がぶち壊されているの、わかりますか? 日本じゃ絶対にありえないなあ・・(笑)。
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2段目鍵盤のパイプたち。歌うの上手。口紅でも塗ってあげたい。
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懐かしの楽器で夢中になっちゃってる夫が、中々私に練習させてくれないので、うろうろしていたら発見。オルガン椅子のいたずら書き。これは1791年のものじゃ・・・ないよね。
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ボルカ・ディ・カドーレのカッリード・オルガン_f0161652_16484393.jpg天井画。
観音菩薩っぽい?
マリア様。
教会入り口の、コンサート案内。
こんな田舎村ですが、だからこそ、この近辺には、当時のままで残されている素晴らしい楽器がたくさんあり、それらを使ったフェスティバルが、ドロミテへヴァカンスに来た観光客に人気。どこから湧いてきたのか(?!)コンサートもたくさんの人が来てくれました。
本番前に教会に入ったら、祭壇にスクリーン。バルコニーの演奏台を映すらしい。
ああ、早く教えてくれてれば、もっと化粧したのに・・。時すでに遅し。
イタリア18世紀の作品を並べて、美しい楽器と楽しい一時を過ごしました。
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帰りは天気一転、土砂降りの雨&雷の中を、久美ちゃん夫の運転で、おらが村へ帰宅。
運転してもらってるのに、私&夫獏睡。途中で「あ!鹿!」って声で何度か飛び起きるも、また夢の中へ。家に到着、夜中の2時半。お疲れさま。

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Commented by chocolat_madame at 2008-08-20 17:25
素敵ですね。オルガン演奏は時々チャペルで耳にしましたが、パイプオルガンの音は心を空に浮かび上がるような不思議な響きがある気がします。
Commented by 久美子 at 2008-08-21 06:04 x
おぉ!お忙しいのに更新されていますね!
さすがです!『オルガンのことは愛ちゃんに聞け』という域に入ってきましたね。ふふ。
祭壇のスクリーンのこと、本番前に知ったのね。びっくりしたでしょう?
お二人の手指が良く映されていました。顔はそれ程アップにならなかった。大丈夫・・・って何が?・・・お化粧のこと!
良くあのプレッシャーに負けずに演奏したねぇ!とても素晴らしかったです!!!おめでとう~!
お二人は次の日も早くて大変でしたね。お疲れ様でした~^^
Commented by organvita at 2008-08-24 04:57
chocolat-madameさま、コメントありがとうございます。
ちなみに、私の夫は本番前に、大抵必ずチョコレートを食べるんですよ。
落ち着くんだとか。チョコ、偉大ですね。
Commented by organvita at 2008-08-24 04:59
久美ちゃん、コメントありがとう。こちらこそ、楽しい一週間をどうもありがとう!また近いうちに会えるといいね。
顔のアップになってなくて良かった・・。普段は人から見えてないと思って、変な顔して弾いたりしても平気だから、急にカメラ入ると焦るよ・・。
ていうか、普段からちゃんとしてろってことだよね・・(笑)。
by organvita | 2008-08-20 17:08 | 見た弾いたオルガン | Comments(4)

北イタリア・ドロミーティ渓谷で暮らすパイプオルガン弾き吉田愛のスローライフを綴っています。猫のバンブー♂も度々登場。


by organvita
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