ドロミテ横断のシゴトその3 コルティーナのオルガン
2008年 05月 06日
美しい民族衣装に身をまとって演奏する町の楽団員たち。アニメソングもあり。
全然聴かずにおしゃべりに夢中な天使たち。
どの国の天使も同じか・・。
親たちも我が天使の写真撮影に余念がない。
どの国の親も同じか・・・。
美しかったので、写真を撮らせていただいた。はにかんだ娘さんかわいい。「コピー商品は作らないでね」と辛口のママ。私は中国人ではありません。
ミサが終わるのを待っている間に昼食を済まし、教会へ。サン・フィリップ&ジャコモ教会。
やっと私たちの練習時間。教会内はピンクで統一された美しいバロックスタイル。
54ストップ、3段鍵盤&ペダル。パイプ総数約3000本。南チロルの工房マウラヒャー社(Mauracher)1954年制作。A.ゼーニ(Andrea Zeni)2002年修復。
ストップ番号(上の数字)4番:Flauto del bosco(森のフルート)
23番:Flauto delle Dolomiti(ドロミテのフルート)
どちらも素朴で柔らかい響きがした。
このテレビには、ミサ時の遠い祭壇での様子が映し出され、オルガニストはこれで弾くタイミングをチェックしながら演奏しているのだ。オーケストラとの演奏のときに指揮者を映すこともある。電話は祭壇脇の部屋と繋がった内線電話で、教会が広くて一々往復できないので、この電話でミサの諸事項を神父と連絡し合う。今日の賛美歌の番号は?とか。
右側にある黒い計算機のようなものは、ここに賛美歌番号を入力して送信すると、教会内の電光掲示板に映し出される仕組み。この操作を間違えると誰も歌ってくれない・・・。
バルコニーで聴こえる音やバランスと、教会やホール内で聴こえるそれとは、全く違うことが多い。オルガンは建物あっての楽器で、その残響もすべて含めて音作り&音楽作りをしていく。バルコニーで気持ちよく弾いてても下では大変なことになっていた?!なんてこともあり得るから、今回も夫と私はあの細い階段を十何往復もしながら、一人が上で弾き、もう一人が下から「バランス悪い」とか「もっと高音部増やせない?」とか「そのメロディの音イマイチ。他のストップないの?」とか「もっとはっきり弾かないと残響でなんだかわからん」とかなんとか言い合う。今回は相手が身内だから、言い過ぎたりして険悪なモードになりかけたりした(?!)が、その曲の背景、オルガニストの趣味や癖を察知して相応しい助言をすることは、音作りの際のアシスタントの役割として大変重要。なので大抵、アシスタントはやはり同じオルガニストか、オルガンのことをよくわかっている人に頼むことになる。譜めくりだって、それだけではなく、微妙なタイミングでストップを追加してもらったり減らしてもらったり、沢山の鍵盤とペダルの演奏で対応しきれないオルガニストの片腕となって働いてもらうのだ。
いつも当たり前のこととしてやっているが、改めてこうやって書き出していくと、オルガニストって本当にすごい地味な作業をコツコツやってたんですね~。
世界中のオルガニストに乾杯!!
あ、乾杯はコンサートのあとで。
その後簡単なパーティーが用意されており、夫は早速気持ちよくワイン飲んでる。私が帰り運転するってことらしい。コルティーナ出発夜11時、恒例イタリアの道表示の悪さに町中を3周迂回させられ(!!)一時間経過。やっと町から脱出、雨と霧で見通しの悪い山道をゆっくりゆっくりと車を走らせる。対向車なし。夫は気持ちよく横で獏睡中。その間、野生のシカ2匹と野うさぎに遭遇。
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いつも思っていることなんだけど、やっぱり、鍵盤弾きの人の頭の回転と使い方って、スペシャルだわ~!とくにオルガニストが一番すごい。
私の頭の使い方が如何に緩慢かがわかったわ~!
コムニオーネの様子もグッドです!
だんな様の半身が。。。お元気ですか?ふふ。。。演奏なさったオルガンは、シェフの御手が入っているのね。いつかだんな様の作品&修復なさった楽器がお目にかかれるといいな^^
ブログ開設おめでとうございます^^
早速遊びにこさせていただきました。
遥か日本からだと愛ちゃんのご活躍を耳にこそすれ
なかなか想像できなかかった私。
このブログのおかげで愛ちゃんが日々
どんな文化に触れ、繊細なオルガンのお仕事をされているのかを
とても身近に感じることができました☆ありがとう^^
お写真もキレイです。
また楽しみに遊びにこさせていただきますね。