名古屋のゼーニ・オルガン

5月の連休明け、
名古屋の某個人サロンに、
アンドレア・ゼーニ工房のオルガンが建ちました。
まずは完成の、美しい姿をご覧ください☆

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約一年半前からのプロジェクト。
オルガンの目的、どんなレパートリーが主に弾かれるのか、
楽器の仕様、置かれる場所のこと、などなど、
本当に色々なことを噛み砕き噛み砕いて、
一つの楽器の姿を見つけていきます。
それから工房で一年以上かけて部品一つ一つを丁寧に制作。

その楽器は、工房で完成させたあと、解体し、
大きな箱に詰め込まれて、ドロミテの工房から日本まで
遠路遥々運ばれ、いよいよ現地に待望の到着!

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大きな2つの箱に見事にきっちりと納められた全ての部品を、
部屋の中に運び込んでいきます。
後の作業もしやすいように、運び込む置き場所も考えながら。
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土台部分の位置を決めて、モーターと照明用の電気を通し、
箱を組立て始めます。部屋の中は部品でぎっしり。

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工具はほとんどイタリアから持参。
アンドレアの荷物の半分は工具でした。
釘一つ取っても、場所と用途に応じて実に色々な長さ大きさが。
ぱっと使い易いように、種類別に並べておきます。
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外枠がだいぶ形になってきたところ。
この辺りは男の力仕事。
部屋の空間にぴったり合わせて設計したオルガンが、しっくり嵌りました。
お部屋の雰囲気とも見事にマッチ☆
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重い屋根部分や風箱を組み込んで外枠が完成したら、
美しい手彫りの彫刻をはめ込みます。
これは、おらが谷の彫刻師が、
アンドレアの奥さんのデザインを元に彫り出したもの。
このオルガンはサイドも丸みを帯びていているところが「特別仕様」の、
女性的な柔らかい印象の顔を持っています。
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さあ、ここからは本当に細かい作業。
鍵盤をはめ込み、ストップノブを入れ、
全てが連動するように内部のメカニックを繋げていきます。
ミリ単位の、神経を集中させる仕事。
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オルガンの内部はこんな風。
つくづくオルガンって、ものすごいメカの、
でもある意味すごく原始的な仕組み。
でも、そこまでなら車でも機械でも同じかもしれませんが、
オルガンの場合、そこに空気が通って息が吹き込まれて音が鳴り、
音楽が奏でられて人の心に響いていく。
本当に奇跡的に美しい「機械」だなと感動します。
500年近く、オルガンという楽器の基本原理は変わっていないというのも、
それが完全な形である証拠でしょう。
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メカニックが完成したら、いよいよ整音作業。
一本一本のパイプが、その空間で一番美しく鳴るように、
そして他のパイプの音と美しく溶け合うように、
しーんとした中、集中力120%で、音量、音質を微調整していきます。
この作業でこのオルガンのキャラクターが決まるともいえるので、
とてもとても大切な時間。数日かけてじっくり行いました。
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正面の輝くプロスペクトパイプを、指紋がつかないように手袋をはめて、
慎重にセッティングしているところ。
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こうして遂に、美しいお顔のオルガンの完成です!
鍵盤から見上げるとこんな感じ。

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二段鍵盤+ペダル。10ストップあります。
この10ストップに何をどう選択したかも、
ビルダーの腕の見せ所です!
それから、鍵盤タッチの感覚も一つ一つを微調整します。
指にすっと馴染む、繊細で美しい触り心地で、
いつまでも弾いていたい気分にさせられる気持ちよい感覚。
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完成後には、楽器所有者さんの近しい人が集まってくださり、
牧師の祝祷と共に、皆でこのオルガンに合わせて賛美歌を歌いました。
にっこり笑っているかのようなオルガンのお顔。嬉しそう。
それから、小さなお披露目コンサートを弾かせていただきました。
この楽器の美しい音色の組み合わせと、個性を感じていただけるように。
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オルガンって、その一台一台に、
それが制作される誕生のストーリーがあります。
一台一台が注文制作で二つと同じ楽器はありません。
そして、愛してあげれば500年と響き続けることができます。
生まれたばかりの0歳のこのオルガンも、これから沢山愛されて、
豊かなハーモニーを奏でていってくれることでしょう!


・・・・・
リンク集
2017年ドロミテオルガンアカデミーのご案内
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内





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by organvita | 2017-05-25 06:18 | オルガン工房 | Comments(2)
Commented by トミ子 at 2017-05-27 08:20 x
わお~。これまた素晴らしく美しいオルガン!
東京のよりもさらに大きく充実していますねー。
これが個人の御所有なのですかっ!
これだけのものを入れるホールも必要ですが。@@

オルガンバウアーってホント尊敬します。
一台一台オーダーメイドで、綿密に考え抜かれて大変な作業!
ピアノみたいに型紙通りに部品を作れば良いってわけじゃないですから…。
それに海外へ組立に行くには、気軽に「あ、これが足りないから取ってきます」ってわけにはいきませんから、すべてをぬかりなく準備して行かないといけませんよねー。

二台も日本へオルガンを送り出されて、愛さんは優秀なゼーニ社の営業マンでいらっしゃいますね!(^_-)-☆
Commented by organvita at 2017-06-01 02:59
トミ子さんへ。
このオルガンは10ストップもあって、教会にも堂々と入れる大きさなんです☆このオルガンのためにサロンを作られた方なんです。
オルガンバウアーってほんと尊敬します、私も!あらゆる視点から研究しながら一台を作り上げますし、メカを作るだけでなく、音楽にも愛情がないと&わかってないとできませんよね。一オルガニストとして、一生に一度組立に関わることができればラッキーだと思いますが、こうして一緒に勉強させてもらってものすごい経験をさせてもらって嬉しいです☆
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