東京のハウスオルガン

4月末の一週間。
東京のマンションに、練習用のハウスオルガンを搬入&組立しました。
イタリアの工房から一ヶ月前に船で旅立ったオルガンが、無事に到着!

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工房で音が鳴るまで完全に完成させたオルガンは、
一度解体してこの頑丈な木箱に詰められ、送られました。
それを今度は丁寧にほぐして、部屋に運び入れていきます。
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まずは、オルガンの土台部分を組立。
チームは、社長のアンドレア、アレちゃんと私の三人。
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山のようにある部品をパズルのように組み合わせていくと、
だんだんと形が見えてきます。
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手鍵盤が入って楽器らしくなってきました。
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力仕事の他にも、0.1ミリ単位でのメカニックの調整が延々と。
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今度は部屋の音響に合わせて、パイプ一本一本の整音作業。
これが数日続きます。
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そして、約5日間の作業後、とても美しい姿と響きに完成!
楽器所有者さんの教会の神父様が、聖別の祈りを捧げてくださり、
それからアットホームなミニ演奏会を弾かせていただいて、
晴れてお引渡しとなりました。
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防音されていないマンションのお部屋に置かれたので、
なるべく柔らかい静かな音で、でも音色の組み合わせも楽しみたい、
最低限のレパートリーがしっかり練習できて、
長時間練習しても疲れない楽器、というのが想定のこのオルガン。

二段鍵盤とペダル。5ストップを持っています。
パイプを全て箱の中に隠す形をとったことで、
目の前でパイプがガンガン鳴って疲れる、ということが避けられ、
柔らかい温かい音色が耳に優しく伝わってきます。
音をはっきり飛ばしたいときには、スウェルペダルを踏み込めば、
楽器両脇の扉が手前に開いて、開放的な音が外に響く仕組み。
もちろんロマン派のスウェルを使う曲の練習もできて一石二鳥。
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楽器所持者さんから、オルガンの正面には
「3大天使のモチーフを入れて欲しい」とのご希望。
そこで、アンドレアの奥さんがデザインし、
アンドレアがそれを象眼彫刻に仕上げました。
どれも着色していない、自然の木のままの色。
楽器やお部屋の木材の色調ともマッチして、
世界にひとつだけの美しい家具となりました☆
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このオルガンを通じて、これからたくさんの笑顔とハーモニーが
育まれて生きますように☆


追伸:
友達のダーリンが料理人のフランスレストランで、
オルガン完成を祝って皆でお食事したら、こんなサプライズ!
世界にひとつだけのドルチェ☆☆
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リンク集
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

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「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。

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Commented by トミ子 at 2017-05-21 04:54 x
お久しぶりです!
ドロミテの山で作られたオルガンが東京へーーースゴイことです!
ご依頼主様のご要求に応え、条件に合わせ、一つ一つ考え抜かれ丹念に作られたオルガン…マンションに入るほどの小さな規模なのに、いろいろな機能がコンパクト(スウェルまでも!@@)にギューっと詰められ、そして美しい家具のようなケースに、自然の木材の色彩の天使の装飾が施されて…(感動ポイントがたくさんで息切れします。笑)なんて贅沢なオルガンでしょう!
何百年も皆様の宝物となりますよう…。
オルガンは組立て、設置のあとも、イントネーション作業がまた大変なのですよね。
皆さまのご出張もご苦労様でした!
Commented by organvita at 2017-05-25 00:36
トミ子さんへ。
お久しぶりです!!お元気ですか?!
ドロミテが日本にオルガンで繋がって、私もとーっても嬉しいことです☆ そうです、大切に使えば何百年と受け継いでいけるから、オルガンって素晴らしいですよね。小さなところに色んなアイディアと情熱が詰まった楽器です~☆ 私もほしい・・・!
Commented by eithbed at 2017-05-31 06:18
お久しぶりです。。。日本にも滞在されているのかなあ。オルガンを日本に送られたのですね。。。どんな音がするのかなあ。
Commented by organvita at 2017-06-01 03:06
eithbedさんへ。
こんにちは!お久しぶりです。嬉しいです☆日本に3週間滞在しました。イタリアから日本にオルガンを届けることができて、その音が日本で鳴って引き渡し。娘を嫁に出した気分です(笑)。
by organvita | 2017-05-19 23:41 | オルガン工房 | Comments(4)

北イタリア・ドロミーティ渓谷で暮らすパイプオルガン弾き吉田愛のスローライフを綴っています。猫のバンブー♂も度々登場。


by organvita
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