ズールのオルガン Suhl

バンベルクから40分、北上した所にある町、ズール。
自然豊かなチューリンゲンの森に囲まれたズールは、鉄の生産地として知られ、
武器製造で栄えた町。今では武器博物館でその歴史を見ることができるとか。

この十字架教会 Kreuzkirche で、夫とソロ&連弾コンサートを弾かせていただいた。
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ボックス型の教会には、各階にベンチが置かれ、祭壇をぐるっと見下ろせる。
その祭壇上部にそびえるオルガンは、遠くから見ると、まるで一枚の絵のよう。
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上品で威厳のあるこのオルガンは、つい数年前に修復され、270年前の響きが蘇った。

オルガン:
E.ケーラー Eilert-Köhler (1740)
A.シュッケ Schuke-Orgelbau Posdam (2007修復)
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豪華な演奏台。E.ケーラーは、北ドイツの出身。このオルガンを製作したのは、
まだ30歳前後だったとされる。
2段鍵盤+ペダル、39ストップを持つこの楽器には、彼の故郷、北ドイツのオルガンが
持つ透明感ある響きと、チューリンゲン地方のオルガンが持つ伝統的な豊かな色彩が、見事に溶け合っている。(オルガンの詳細はこちら(ドイツ語))
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ズールで演奏させていただけることになったのは、この町のカントール&オルガニストのフィリップに招待していただいたから。
フィリップ、そして日本人の奥さんでピアニストの尚ちゃんとは、ドイツ留学時代のお友だち。彼らが活躍するこの町に呼んでもらって、練習の合間にも一緒に楽しい時間を過ごさせていただいた。どうもありがとう!!!
しかも、コンサート当日には突然、そのドイツ青春時代(?)の懐かしい面々3人が会いに来てくれて、10年くらい振りの再会を果たして、同窓会気分!Kクンありがとね!
今度はもっとゆっくり、チューリンゲンの森の散歩もしたいな~

さて、コンサートは、この町にある二つの教会で。
まずフィリップが、町の中央教会 Hauptkircheで、F.リストの名演奏を聴かせてくれた。
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その後お客さんは、お散歩しながら教会事務所の素敵な中庭へ。ワインと軽食で歓談。気持ちよくなったところで、私たちが待つもう1つの教会へ向かい、もう少し音楽を楽しもうか、という、ステキな計らい。
私たちも聴いて弾いて、久しぶりにドイツの重厚で甘い響きを楽しんだ。
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フィリップと私たちの3人のオルガニストによる夕べが、ズールの新聞で紹介された。
(Ps.フィリップ、記事送ってくれてありがとう!)
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左の新聞のタイトルは、「二人同時にオルガンの椅子に座ると」。
珍しいオルガン連弾だったことが取り上げてあった。

右の新聞(左のイケメン君がフィリップ!)のタイトルは、「ウィンナーかピザで力づけ」。
インタビューで、「このオルガンの鍵盤は弾くのに重くないですか?」と聞かれ、
「重いけど、美味しいチューリンゲンのウィンナーを食べて力をつければ大丈夫(&横から
イタリア夫が「またはピザだね!」)と冗談めかしに言ったことが、そのままタイトルに取り上げられてる。ケッサクです(爆)。


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Commented by njs2005 at 2011-08-30 00:41
おお~スゲ!
僕も過去に一度新聞に載ったことがあります。。

高校一年の時、年賀状のお年玉くじの1等が当たって当時住んでた
街の郵便局始まって以来の出来事らしく、ローカル新聞に載りました
「200万枚に一枚の確立!幸運を射止めた高校一年生の柴田君!」って見出しやったです。。。
超平和でしょ(笑)

標高1000mで35度って凄いなぁ~
Commented by woodstove at 2011-08-30 10:13
愛さん こんにちは。
素敵な演奏旅行になりましたね。鉄の街ですか?興味深い場所であります。パイプオルガンのパイプって、どんな金属なんでしょうか?(^_^)
今、僕の息子は、打楽器制作に夢中になってます。また、来日の際には、聴いてくださいね。。。(^_^)
Commented by sunlightk at 2011-08-30 20:28 x
青空に山吹色の教会が素敵ですね。
愛さんの笑顔もとっても明るくてステキです!
Commented by organvita at 2011-08-31 21:54
njsさんへ。
え~?!?!?すごい!お年玉くじ一等ですか?!?!?!
それはニュースでしょう!!!!何が当たったんですか?!?!ああ、当たるモンなんですねー、私は切手シートくらいが最高賞ですよ・・・
Commented by organvita at 2011-08-31 21:57
woodstoveさんへ。
woodさんにはたまらない場所かもしれないですねー!歴史的に鉄砲などの製造が盛んだったらしく、大戦の時にはその所為で空襲にあったり、悲しい過去もあるようです。
オルガンの金属パイプは錫と鉛の合金なんですよ。その分量は音色や、職人によっても違います。パイプ制作専門業もあるんですよー。
打楽器ですか?!打楽器ってなんでも楽器になるから創作も楽しいですね~!
Commented by organvita at 2011-08-31 22:00
sunlightさんへ。
ちなみに、「コンサートのほかにドイツで何をしたいですか」と聞かれたので、「森を歩く休暇はとれないけど、久しぶりのドイツで買い物をしたい、ドイツのパンは美味しい」と答えたら、記事に、「Ai Yoshidaの住むイタリアの山には店がなく、ドイツでパンを買ってかえるそうだ」ということになっていたのでした。笑
Commented by くみこ at 2011-09-01 17:51 x
おぉ~~!いっぱい更新されたね~!^^
とても素敵な夏&演奏旅行を楽しまれたね!
やっぱり、夏のズール、綺麗だわ~。
私が訪れるのはクリスマスだから、日暮れも早い時季だし、雪空で、こんな爽やかなズールにはお目にかかれないのよ。ふふ・・・
Kreuzkirche もとても素晴らしい教会なのね。私は前回に続き、今回も多分Hauptkircheでの演奏になるから、まだお目にかかったことがないの。
あはは・・・ドイツ人の記事って、冗談だか本気だか、わからない時あるよね。シニカルのポイントがずれてるのよね。^^:
Commented by bantelner at 2011-09-04 10:52
きゃー、愛さま、夏にドイツにいらしていたんですか!?
知ってればチューリンゲンまで行ったかもしれませんのに、残念・・・。
立派な教会に立派なオルガン!
新聞記事、楽しいですね。w
それから、上のMittenwald!
私も夏休み中(7月下旬)に行ったんですよ!
街中の教会にも、バイオリン博物館にも入りました。
う~ん、ここでもすれ違い・・・。(;_;)
Commented by organvita at 2011-09-05 16:41
くみちゃんへ。
久美ちゃんの餃子写真を載せ忘れたよ~(笑)!!
そっかー久美ちゃんはいつも冬だもんね。いつか一緒にチューリンゲンの森散歩にでも行きたいねえ~!そっかー久美ちゃんが歌うのはHauptkircheか。あっちもとっても素敵だった!
記事、笑えるでしょ~。今度会った時にゆっくり読ませたげる。楽しい記念になりました~!また電話するね。
Commented by organvita at 2011-09-05 16:43
bantelnerさんへ。
きゃーそうだったんですか!私たちが行ったのは7月16・17の週末だったので、ほんとすれ違いでしたねー!チューリンゲンまで遠いですよ~!でもご連絡したらよかったですねー!ごめんなさい(^^;)。
新聞記事、ドイツらしくていいでしょ~?!私ドイツ人のこういうセンス、意外と好きです~
Commented by at 2011-09-13 21:19 x
愛さん、ズールのこと、こんなに素敵に紹介していただいてありがとうございます!愛さんの文才にかかると、こんな田舎町もなんだか魅力的に見えますねぇ(笑)。お二人の素晴らしいコンサート、私も聴かせていただくことができて感激でした。それに、久しぶりにたくさんしゃべって笑って、私たちにとっても青春(笑)の学生時代に戻ったような楽しいひと時でした。また遊びにいらしてくださいね~!今度は森にも出かけましょう!
by organvita | 2011-08-30 00:24 | 見た弾いたオルガン | Comments(11)

北イタリア・ドロミーティ渓谷で暮らすパイプオルガン弾き吉田愛のスローライフを綴っています。猫のバンブー♂も度々登場。


by organvita
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