バロック・アンサンブル

今トレントとボルツァーノ近郊で、教会音楽フェスティバルが開催されています。

どれか聴きに行きたいな~なんて思っていた矢先、電話が鳴り、急遽アンサンブルで
チェンバロを弾いてくれないかと。コンサートの4日前です・・・。
きっと本来弾くはずだった人が急に何かの都合で弾けなくなったのか、それとも
チェンバリストを調達するのをすっぽり忘れていたのか(イタリアならありえる)。
いずれにしても、私はイタリアでアンサンブルできる機会をずーっと探していたので、
もう一つ返事でOK。その後、めずらしくモーレツにレンシュウしました。
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プログラムはヘンデルの、オルガン・コンチェルト3曲と、コンチェルト・グロッソなど。
この時代、楽譜もネットで無料で探して印刷できたりするので、手元になかった楽譜は
急遽ここでお世話になりました。

バロック・アンサンブルで鍵盤楽器が登場する場合、オルガンやチェンバロは「通奏低音(コンティヌオ)」という役割を担います。詳しくはこの辺りを読んでください。
私はそのために実際どういうことをするかというと、手に入れたフルスコア(オケのパートが全て書いてある)の一番低い旋律のパートに、まずいわゆるコード進行番号を、和声が変わるごとに書き込んでいきます。こんな感じで。(↓↓)
書き込まないでも読めちゃうすごい人もいますが、私は怖いのでかなり書き込みます・・。
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そして、左手ではこの低いパートの旋律をそのまま楽譜通りに弾きながら、同時に右手でそのコード番号の和音を載せて弾いていくわけなのですが、後はリハーサルでオーケストラがどう表現してくるかによって(例えば音を強調したいのか、それとも柔らかい響きにしたいのか、強弱の付け方、テンポはどうかとか・・・)、チェンバロでも和音をまとめて弾いたり、アルペッジョにしてみたり、鍵盤の高音域で弾いたり低音域で弾いたり、対話的なフレーズを即興的に入れてみたり・・・と色々試していきます。
かなりオタクな作業の割には、目立つヴァイオリニストたちと比べてあまり報われないですが(笑)、通奏低音奏者って、「そうは言ったって、低音でテンポを与えて仕切っているのはこっちなのよ」とこっそりほくそ笑んでいるような人が多い気がします(笑)。
私がヴィオラ奏者(これまた目立たないが大事)と妙に気が合うのもそんな理由かも?!

教会でのリハーサルの様子。5月といえども教会の中は凍えるように寒く、
本番ではババシャツ3枚重ね着しました。
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ちなみに、オルガン・ソロは、トレントの期待の新人 Simone Vebberくん。
私より10歳下で、すでにすごい活躍ぶり&上手。良い刺激になります。
アンサンブルは、北イタリアを中心に活躍する Emsemble Corelli。
さすがイタリア人、ものすごく軽快なリズム&躍動感溢れるテンポで楽しかった!!
またご一緒できると嬉しいな☆

余談ですが、日曜日だったこのコンサート、新聞には大きく「土曜日」と告知されておりました。なぜなら、フェスティバル自体のチラシに「土曜日」と書かれているからです。
ちなみに、この教会のオルガニスト曰く、「宣伝チラシを町に貼って欲しい」と事務局から大量に送られてきたのは、別の町の全く違うコンサートのチラシだったとか。
そんなんでもそれなりにお客さんが集まってくれたあたり、イタリアって奥が深い、と改めて思った次第です・・・。

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by organvita | 2010-05-18 18:50 | 見た弾いたオルガン | Comments(19)
Commented by woodstove at 2010-05-18 21:17
 楽器の奏者のポジションって、それぞれに奥深い位置関係が
あるんですね。 ボクは音楽は聴くだけですので、楽器の演奏を
されるヒトを無条件で尊敬しちゃいますよ。。。。。
 もうねえ、あの五線譜を見ただけで固まってしまいますから。。。(^^ゞ

 それにしてもアバウトなイタリア。。。これも凄いですね。(^^);
Commented by 鍵盤のしもべ at 2010-05-19 00:48 x
こんばんは 
 始めてお便りします。
楽しく時々読んでおります。
私もピアノと後から始めたオルガンをすこ〜し弾きます。
コンテイヌオって素敵ですよ。
コーラスやっていてもオルガンやチェンバロの見えるとこに立ちたいくらいです。

で 関係ないですが 一つ返事ではなく  二つ返事だとおもいますが、、、

Commented by mamadance at 2010-05-19 04:38
かっこいい舞台裏を教えていただきました。
チェンバロやオルガンは本番に即興で色んなフレーズを入れていくという技ができる面白いパートなんですね!
でも、それを本当にするのは勇気とこれまでの経験がものをいう世界でしょうね~。
すごくかっこいいわ! organvitaさん!
教会内は寒いんですね~。ひやっとするのがまた厳かな感じですけれど・・・。
Commented by organvita at 2010-05-19 20:14 x
woodstoveさんへ。
自分の弾く楽器によって性格が変わってくるのか、それとも自分の性格が楽器を選ぶのか・・・楽器の個性と音楽家が似てくるので面白いですよ(^^)。
Commented by organvita at 2010-05-19 20:17 x
鍵盤のしもべさんへ。
はじめまして!コメントありがとうございます!
ピアノもオルガンも弾かれるのですね。その上コーラスも!
「二つ返事」訂正ありがとうございます・・・我ながら笑えます・・・(^^;)
可笑しいのでそのままにしときます・・・はは。
Commented by organvita at 2010-05-19 20:21 x
mamadanceさんへ。
アンサンブルの時の即興は、何もしないとつまらないし、かといって張り切ってやりすぎるとうるさくなるし、そのあたりの加減が微妙なんですが、それがまた面白いところだったりします(^^)。
教会の中、暖房もあるんですが、楽器を使っていると温度に反応してすぐに調律が狂ってしまうので、入れないでもらったんです。だから尚更寒さが身に染みました・・・。それでも弾いていれば興奮するし(?)動いてるのでまだ良いですが、お客さんの方が大変かも。もちろんみなさんコートきたまま聴いていましたよ。
Commented by momousa at 2010-05-19 21:27 x
何かさあ、日本ではありえない事が起きるから色んな意味でイタリアには鍛えられてるよね、私たちって。organvita先生はプロフェッショナル、おいらはアマチュアとそれぞれ違う世界にいるけれど、そんなありえないイタリアのおかげで貴重な経験させてもらう事もあるし。マイナス面だけじゃなくてプラス面もあるから前に進んでいけるっていうか。それにしてもコード進行書き込み作業、想像しただけで気が遠くなってしまった。お疲れさまでした、でも本当に良かったね!!
Commented by lacasamia3 at 2010-05-20 01:22
あはは、宣伝よりも口コミの情報の方が信憑性があるイタリアらしいですね。色んなところで、信じられないようなハプニングがたくさん起こって、紆余曲折しながらも、結局最後は上手く行くっていう国なんですよね、イタリアって。毎回これだと、心臓に悪いんですが(苦笑)
Commented by くみこ at 2010-05-20 04:26 x
おぉ~!愛ちゃん、お仕事頑張ってるねーっ!しゅばらしい。
すご・・・4日前に受けて、楽譜探しも自分でしたんだね。お疲れ様でした!!
でも、愛ちゃんはアンサンブル大好きだものね!
素敵な出会いがあって良かったね。^^
チェンバロは愛ちゃんのを使ったのかな??
Commented by kiyo at 2010-05-21 12:26 x
私もアンサンブル大好きです。
いつも思うのですが、通奏低音奏者って旋律楽器とは比べ物にならないほど難しいことやってるのに(旋律楽器奏者の方、ごめんなさい!!)、あんまりわかってもらえない。
イタリア人のノリノリアンサンブル、楽しいでしょうね!
Commented by batanosuke- at 2010-05-23 01:21 x
オルガンやチェンバロの方のお話を聞く機会は少ないので、とても勉強になりました。
4日前ってすごいですね!!
楽譜探し、コード書き込み、ババシャツ着込み。(^_^)

もしヴェネトの方でも演奏される機会などありましたら行ってみたいです!
Commented by njs2005 at 2010-05-25 14:39
最後の新聞、チラシの話・・・・うらやましかです。。
イタリア万歳ですね~
印刷業やってるんで、それに近い話まれにありますが、大問題になります・・・
いやひょっとしたら大問題になったけど手遅れだったかな?
Commented by organvita at 2010-05-25 23:30
momousaさんへ。
ええ、この「普通ならこう」という枠が存在しない国にいると、毎日の生活に驚きがあって面白いですよね(笑)。ありえないことを楽しめるようになれば、私たちもイタリア生活を満喫できるでしょう。がんばりましょう~!
Commented by organvita at 2010-05-25 23:36
lacasamiaさんへ。
日本のように規則や法則がしっかりあるところに育った私たちにとって、イタリアのこの「システム」、たまに(かなり?)理解しにくいですよね(笑)。頭にくることも多いですけど、でも、よく言えば臨機応変に対応できるイタリア人の生き方、学ぶところも多いですよね。それと土壇場に強い!なんなんでしょう、あの即興力の強さって。出来るんならもっと準備すればもっといいもの出せるのに!って日本人的には思っちゃいますけど、そうしないところがまたイタリア的なんでしょうね、はは。
Commented by organvita at 2010-05-25 23:38
くみちゃんへ。
久しぶりに楽しかったよ(^^)。
そう、自分のチェンバロ運んだの。自分の楽器で本番弾けるっていいわ、やっぱり。オルガンだとそうはいかないもんね・・・汗。
Commented by organvita at 2010-05-25 23:40
kiyoさんへ。
そうそう!全くその通りです!!なのに、うっかり和音間違えたりすると一斉にみんなの視線を感じたりして・・・いいじゃん一つ間違えたくらい、大変なんだからこっちは!とか思っちゃいますけどね。はは(汗)。
イタリア人、本番に強いです!!
Commented by organvita at 2010-05-25 23:43
batanosuke-さんへ。
こんにちはー!実は週末にPordenoneの近くで弾いたんですよ~!
事前にご連絡したらよかったですねーごめんなさい!
また機会を戴いたらご案内しますね(^^)。
Pordenoneの教会はここみたいに寒くなくて、ババシャツ無しでいけました。ありがたや。
Commented by organvita at 2010-05-25 23:46
njsさんへ。
・・ていうか、それが普通ですよね、大問題になるのが・・・。
大体、主催者が主催の日にち間違えるってありえないですよね。校正したりしないんでしょうか・・。年に10回もないコンサートなのに・・・。しかもそのまま町に張ってるんですよ。上から書き直すでもなく。チラシの意味がないです・・・それならよっぽど貼らない方がいいのに(笑)
Commented at 2010-05-26 06:58 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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