ヴェルラ・ディ・ジョーヴォのオルガン Verla di Giovo

トレント市の郊外、チェンブラ渓谷 Val di Cembra にあるヴェルラ・ディ・ジョーヴォ村の
教会で日曜日、夫と一緒に連弾&ソロのコンサートを弾いた。

チェンブラ渓谷といえば以前、この谷にあるピラミッドのことも書いたけど、
ミュラー・トゥルガウというワインや、グラッパの醸造でも世界的に有名。
S字型のチェンブラ渓谷の深い谷一面に広がるブドウ畑は圧巻。
教会のすぐ横にも葡萄畑が迫っている。
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快晴の週末!なんとなく春のキザシ。
教会にずっと篭って練習しているのがもったいなくて、ちょこちょこ外へ出ては日光浴。
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でも教会の中も素敵。
この辺りはイタリアと言ってもオーストリアの国境に近い。
教会の天井も、どことなくザルツブルクあたりで見られる雰囲気。
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そして、オルガンも「オーストリア製」。
このオルガンの製作者、フランツ・イグナツ・ヴェルレ Franz Ignaz Woerle(1710-1778)は、ボルツァーノ(現在はイタリア領だが、第一次大戦前まではオーストリア領)に本拠地を持ち、南チロル地方に多くの楽器を製作した人。現在でも数台残っている。
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この美しいオルガンケースは、その当時からのオリジナル。
オルガン自体はその後、時代に合わせて色々な変更を強いられつつも、
2006年にパドヴァのルッファッティRuffatti 工房が18世紀の姿に修復した。
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ところで、「修復」と一口に言っても、とても複雑だ。
例えば古い教会の修復なんかの場合、壁を削ると数時代の壁画が表れてきたりする。
数百年の間に時代の美的感覚に合わせて上塗りされてきたからで、そこで「どの時代に修復させるか」という問題に突き当たるわけだが、オルガンも全く同じことが言える。

古いオルガンの中に入ると、例えば1700年のパイプと、その後何かの事情で入れ替えられた1900年のパイプがごちゃごちゃに並んでいるなんてこともよくあるし、
1700年の古いパイプだけど、後からそれ自体に手を加えているものだってある。
で、さあ修復!と言う時に、どの時代に戻すのか、どこまで戻せるのか、戻す価値はあるのか、などなど色々な議論がされるのだが、特にイタリアでは、オルガンの修復に関して厳しい規則があるようだ。
しかし古ければなんでも良いのかっていうことでもない訳で、古くても価値がないものは
新しいものと変えればよいのだが、その「価値」の判断は人それぞれ。
とっても難しい、でも興味深~いテーマである。

なんでこんなこと書いているかというと、このオルガンの修復の仕方がちょっと「変わって」いたからで、お世話になった事情に詳しい教会の人たちと、そんな話題でかなり盛り上がったから。
・・・ま、そんなことより本棚作ればいいのに、とボソッと呟いていたワタクシでしたが・・・
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こちら演奏台。外が暖かかった分、教会の寒さが身に凍みる・・・
練習日二日目、自宅より電気ストーブ持参。
運良く(悪く)譜面台の電球が切れ、照明の役割も果たした。あっぱれ。
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さすがに、コンサート前に暖房を入れてくれたので有難かったですが、そうするとリード管の調律が狂うので、本番直前に夫がビルダー顔に変身して調律。
演奏台の左右には二台のバズーカ砲が用意され、オルガニストが間違えると、右から左から襲撃される。・・・のかと思って焦ったが、違ってよかった。
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祭壇にモニターが出されて、演奏風景を見られるというわけ。只今カメリハ中。
クアレジマ期間ではあったものの、「春を呼び込む」ってことで、ルネサンスから古典派までのダンスの曲や変奏曲を中心に、明るいプログラムをご披露しました。
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作ってくれた素敵なプログラムがこちら。
最近、連弾用のコンサート写真を撮影しました~!
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PS.このコンサートの模様が(一部だと思うけど)近日Telepaceチャンネルで放映されるそうです。トレンティーノ近郊のみなさま、よかったら見てね。(詳細はこちらからどうぞ)


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by organvita | 2010-03-17 01:47 | 見た弾いたオルガン | Comments(6)
Commented by emilia2005 at 2010-03-17 03:49
モデナの教会内部はどちらかというと薄暗くて茶色っぽい壁なのですが、この教会はパステルカラーがふんだんに使ってあって明るいですね。「本棚を作ればいいのに」…ぷぷっ。でも写真を見て納得!修復と一口に言っても、色んなことを考慮しなくちゃならないんですね。
Commented by yuuk at 2010-03-18 02:33 x
いや〜ん、パンフレットのお2人、かわい〜い!
ふむふむ、なるほど〜、修復って、オルガンの場合もそうなのね〜・・・と真剣に読んでいたら・・・・ははっ、ほんと、本棚つくったらいいのにね〜(笑)。「温かい」照明も、いい感じです^^。
愛さん、心軽やかに、本物の春に近づく日々を楽しんでいるようですね!
Commented by organvita at 2010-03-18 18:51
emiliaさんへ。
モデナのドゥオーモ、荘厳で立派ですよねー!見学したのを覚えてます。イタリアとドイツ語圏の教会って全然雰囲気違いますよね。
オルガンの演奏台付近って、下からは見えないですが散らかってることが多いんですよ~(笑)。日本人の私はつい整頓したくなっちゃうんですが・・はは。
Commented by organvita at 2010-03-18 18:55
yuukさんへ。
絵画の修復も奥が深~いんでしょうね。よく町角でみかけるじゃないですか、壁画の修復とか。面白そうだなーっていつも立ち止まって見てしまいます!そんなお話とか、いつかゆっくり聞かせていただきたいなー(^^)
Commented by KIKI at 2010-03-19 07:05 x
近日放映っていつですか?!
ぜひ見たいので、分かったら教えて!!
Commented by organvita at 2010-03-19 22:12
KIKIさんへ。
詳細教えてもらったので、記事に書き加えました。ヒマがあったら見てね(^^)
リンク貼らせていただきました~
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