パドヴァ S.Antonio Abate教会のオルガン

日曜日、私&夫は、パドヴァのCollegio universitario Don Nicola Mazzaという、
カトリック教会が運営する大学寮の敷地内にある教会にいた。

この日曜日はDomenica delle palme (「棕櫚の日曜日」)と呼ばれる。
イエス・キリストが処刑されるためにエルサレムに入城したことを記念する日。
イエスの入城を、人々が棕櫚(=勝利を意味する)の枝を手に歓迎したことから、こう呼ばれるのだそうだが、イタリアでは棕櫚の枝の代わりに、オリーブの枝が使われる。

礼拝は教会の外で始まり、このオリーブの枝に聖水がかけられた。
その後一人一人にこの枝が与えられ、祈りを唱えながら、掲げられた十字架と共に皆で教会へ入っていき、そして聖書の受難の箇所を皆で交読。
頂いたオリーブの枝は、家に持ち帰って玄関などに飾る。
今週はこれから、金曜日は聖十字架祭、そして日曜日はイースターのお祝いです。
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さて、この日の午後、この教会で夫とオルガンコンサートを弾いた。
ここには、イタリアを代表するオルガン工房の一つF.ザニン氏の、北ドイツ・バロック様式に忠実に基づいて制作された名器がある。
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オルガン:
F.ザニン Francesco Zanin 2007年制作
2段鍵盤&ペダル  28ストップ
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実はこのオルガンを、製作直後にも見学に来たのだが、やはりオルガンは生き物(?!)。
当時の印象も良かったけれど、お披露目から2年の間に、オルガンが確実に成長してきていることが感じ取れた豊かな響き。そしてこの楽器は、F.ザニン氏の最高傑作のひとつとも言えるオルガンでしょう。鍵盤のタッチもストップの選択、整音も素晴らしいです。
なんだか北ドイツに一気にタイムスリップしたかのような錯覚。でも教会の外に一歩出れば確実にイタリア。本当にヘンな気分でした(^^)。

コンサートは午後5時から。日もすっかり長くなり、外からの春の陽気が心地よい日曜日。
祭壇前にはスクリーンが出され、演奏の様子を映し出していた。
オルガン製作の出張先からやって来た夫、スクリーンを出すと聞いて急に慌て、手に張り付いて取れなくなったままだった接着剤や色ニスを、ゴシゴシと洗ってました(笑)。
聖週間に入る前のコンサートということで、プログラムには受難節のための作品を中心に、ソロと連弾で。
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この教会のオルガニストを務めるのは、夫の昔の師匠の一人、ルッジェーロ・リヴィエーリ Ruggero Livieri 氏。ルッジェーロは目が不自由なのだが、全くそれを感じさせない彼の演奏テクニックと、彼から溢れ出る暖かい音楽に私はぞっこん。「見える」「見えない」で区別してはいけないと思うが、彼の演奏は見てる筈の私のよりも、ずっと確実でミスもない。昔、別の教会で、彼のコンサートのアシスタントをしたことがあるのだが、彼は鍵盤&楽譜を見ないだけではなく、今出会ったばかりのオルガンの、演奏台の配置やストップの名前や位置を、一度触っただけで全て頭にインプット、そして自由自在に即興演奏を始めてしまうのだ。まさに神業!どうなってるんだろう、彼の頭の中・・・?!?
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イタリア魂のおしゃべり好きな彼。ちなみに、「美人は手を触ればすぐわかる」んだそうで、それを聞いてからというもの、ルッジェーロと会う日には、2倍のハンドクリームを念入りに塗っていくワタクシです(^^)。・・・でも、バレてるかな??



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by organvita | 2009-04-08 07:55 | 見た弾いたオルガン | Comments(3)
Commented by njs2005 at 2009-04-09 01:47
ええ~旦那様もオルガニストなんすね~オルガン作る人でもあるんでしょ?

オルガンが成長するって話凄いナァ・・・
こんな話 organvita さんのブログ読んで無かったら一生聞く事なかったろうなぁ・・・
ルッジェーロさんも話聞くだけで鳥肌モンっすね~
目が見えない代わりに、神様カラ与えられた特殊な能力って感じですか・・・
スティービーワンダーみたいな人ですかね。。。
何らかの理由で選ばれた人なんでしょうネ・・・凄い。
Commented by yuuk at 2009-04-09 04:25 x
あ〜、お待ちしておりました、この話題!
というのも、愛さんがパドヴァで演奏すると友人に話して以来、コンサートやオルガンの話を聞かせろと、せかされておりました。(仕事が休みだったら、きっとパドヴァまで行ってましたよ、彼)
この日曜のミサの時も「パドヴァのオルガンは、S.Ritaのと同じZaninだって知ってるよね。でも、Francescoだったか、Gustavo(でしたっけ?)だったか??」と、うるさいうるさい(苦笑)
Fさんの方でしたね。ありがとうございます。これで報告できます(笑)
スクリーンを置く教会って、けっこうあるんですね。
ルッジェーロさんの演奏も、一度聴いてみたいな〜。
あ、でも、握手はできないわ。版画で使う酸で荒れた、ガサガサの手ですから^^;。
↓メール、楽しみに待ってますね〜。
Commented by organvita at 2009-04-09 06:21
njs2005さん、夫はオルガン作って&弾いてます。大木担いだ手で繊細な鍵盤を弾くのは結構骨折れるみたいですが(笑)。でも作ると、弾いてるだけでは見えないことも沢山あるようで、なんとか2足の草鞋でやってます。
オルガンが成長するって、まあ建物に馴染んでくるってことなんですが、でもそれだけではなくて、家と同じで、住んでないとダメになるみたいに、やっぱりパイプに空気を入れて動かしてあげていないといけないんですよ。良い使われ方をしてきた楽器って、弾いてすぐにわかりますね。なんで?といわれても一言で説明難しいのですが。
ルッジェーロを見ていると、彼は私たちが「見てる」ものは見えないかも知れないけど、私たちが見ていない沢山のものを見て知っている気がします。見えないことで見えてくる感性ってあるのでしょうね。ちょっと羨ましかったりします(^^)
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