オルガンの嫁入り

夫の勤める工房で、昨年から数ヶ月かけて制作していたオルガン(この記事の下の方で紹介しています)の、嫁入り支度が整った。

工房の高い天井ぎりぎりまで使って建てられていたオルガンは、すべて解体され、
最後のお化粧をするべく、ニス塗りを待っていた。
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ニスを塗っては乾かす、の繰り返し。細かい装飾の手入れも施していく。
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社長アンドレア。教会側からの突然のデザイン変更要望にも対応。急遽このオブジェを
作り上げた。そしてこれもニスでおめかし。
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大切なパイプや細かい部品も、一つ一つ新聞紙やパッキンに包まれ、教会までの長い旅の準備をしていく。
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そして!先週の土曜日、ついにオルガン嫁入りのため、一日掛かりでトラックへの搬入が行われた。夫は朝7時半から出勤。私も後からのんびりと、応援に駆けつけてみた。
工房内は大小の木箱でいっぱい。それを一つ一つ台車に載せて外へ運び出す。
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箱の表には、どの部分の、どの部品が中に入っているのか載することが絶対条件。
でないと、何万とある部品が、教会内で収拾つかなくなってしまうから。
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細かい工具もすべて一式持っていく。電燈、釘、ネジ、ハシゴ、やすり、テープ、糊・・・
後ろの大きなパッキンで包まれている物は、オルガンの足鍵盤。
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鍵盤裏のメカニック。鍵盤からパイプの足元までを繋ぐ長~い道のりの一部。
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工房の外には、大型トラック待機。
さ~あ!等身大「テトリス」ゲームです!!
8メートルx二機のトラック荷台に、オルガンすべての部品をびっしりと、トラック走行の振動にも耐えられるように、滑り落ちたり傷ついたりしないように上手~く納めていかなければならない。メジャーで空間を計りながら「ここにあの箱入るよ。持ってきて」って具合で。
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私も助っ人としてやってきたつもりだったが、軽い小物を運ぶくらいが精一杯(それでも私には重いのよ)。せめてチアガールとして応援だけでもと思ったが、ガールな年齢でないことに今更ながら軽くショックを受ける。・・・ま、せめて記録写真くらい撮らせて頂くわ。
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一台目に搬入するだけで、午前が過ぎた。普段はフィエンメ渓谷のモミの木材を運搬しているトラック運転手のおじさんが、トラック共々助っ人として参加。
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その後、空の2台目を後ろに連結させ、再び工房内へバックで進入。この細い敷地内へ
15M以上ある尻尾をくっつけて、しかもバックで・・・。恐れ入った。ものすごい運転テクニックだわ。縦列駐車苦手の私にはまるで神業!
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午後、2台目への搬入。場合によっては急遽、棚を作ったり、釘で打ちつけたり。
陸続きの場所への搬入はそれでもまだ「楽」な方。日本へ運ばれてくるオルガンはコンテナ入りで、数週間もの旅路ですよ!
一日トラックとお付き合いしてみて、世の中のトラックというのは、中にどんなに大切なものを詰めて走っているのか思い知らされた私。もうこれからは、チンタラ走っているトラックを後ろから煽ったり(してないしてない)、強引に追い越したり(してないしてな・・・・)するのは止めよう、と密かに反省(汗)。トラック運チャンに惚れましたっ☆
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そして今朝6時、トラックと共に夫&社長と数名、フリウリ州の教会へオルガン搬入の
出張へ。完成まで帰ってきません。たぶん数週間の予定。いってらっしゃ~い!


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Commented by hyblaheraia at 2009-03-31 07:55
素晴らしい~~!!本当に素晴らしいお仕事です!!神業のトラック運転手さんも凄いけれど、オルガンを小さな部品一つ一つから根気強く作り上げるご主人と工房の方々は、神様にとても近いお仕事だと思います。
このオルガンの響きでどれだけの人々の心に悦びを与えることになるのでしょう。今日はいい気持ちで眠れそうです。本島に素晴らしい!!
Commented by お家大好き! at 2009-03-31 23:05 x
愛ちゃん、今日は長電話にお付き合いいただき、本当にどうも有り難うね~~!
日本語をたっぷり喋って、とっても癒されましたー^^
ここをお尋ねしてからお電話すればよかったな。
オルガンもまさに芸術品そのものだよね。何万(すごいね!!)とある部品の一つ一つに職人さんの魂が宿っているから、素晴らしい音色を奏でることができるんだね。
8メートルX二機の搬入・運搬お疲れ様!&組み立て頑張って!
だんな様、完成まで戻って来れないんだね。数週間も一人かァ・・・今の私には考えられない。遊びに来る?^m^
私もチンタラ走っているトラックの運ちゃん&トラック同士でチンタラ追越をし合っている方達の後ろから罵声を浴びせて走るのは控えます。(反省・・・)
Commented by organvita at 2009-04-01 04:06
hyblaさんへ。私もオルガン工房にちょこちょこ寄る度に、少しずつ少しずつ作っていっているのを眺めるのはとても好きなんです。(眺めてるだけで、詳しいことは良くわかりませんが!)これを見てしまうと、自分がオルガンを弾く時に、大切に弾こうって気持ちになりますね。上手く弾けないからって楽器に八つ当たりしてはいけないな・・・と(笑)。工房はいつも木のいいニオイです^^。
Commented by organvita at 2009-04-01 04:09
お家ちゃん、こちらこそ長時間付き合ってくれてどうもありがと~!!!
週末は私が会いに行こうと思ってるんだ。コンサートもあるし。で、再来週は日本から友達が遊びに来てくれるの!ふふ。そっちへも行きたいのだけど・・・ありがとう!またの機会にゆーっくり行かせてもらうよ^^。
ちなみに、このトラック、Benzだったよ。さすがドイツやねえ~。
Commented by yuuk at 2009-04-01 17:02 x
わあ〜、謎の箱の中身だわ〜!興味津々(でも、どこがどこやらさっぱりわからず・笑)
これは、修復されたものなんですか?それとも、新たに作ったもの?
すごい量ですね〜。でも、教会の壁一面と奥に広がる部分にぎっしりつまってるものですものね〜。すごいな〜。
オルガンが教会に設置されたら、またレポしてくださいね〜。

ミラノに、オルガン内部を見学させてくれる教会があるらしいんです。いつか行ってみたいな〜。
Commented by organvita at 2009-04-03 05:48
yuukさん、これは新しく作ったオルガンです(^^)。組み立ては順調に進んでいるようです~。見にいく機会があったら、また続きレポートしますね!どう完成するのか、私も楽しみなんです!
へー!内部見学させてくれるんですか!そちらの町のオルガニストにも試しに聞いてみたらいかがですか?!礼拝の後とかコンサートの後とか。見せてくれるかも?!
by organvita | 2009-03-31 03:57 | オルガン工房 | Comments(6)

北イタリア・ドロミーティ渓谷で暮らすパイプオルガン弾き吉田愛のスローライフを綴っています。猫のバンブー♂も度々登場。


by organvita
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