トレント・フィラルモニカのオルガン

トレント市のコンサートホール、フィラルモニカでは、毎週火曜日の朝9時から、
Invito all'ascoltoと題したコンサートシリーズを行っている。
内容は、オーケストラから室内楽、器楽ソロ、歌など毎週様々。
そして、私たち夫婦は、このうちの一回に出演させて頂くべく、今日早朝山を降りた。
こちら、右側のピンクの建物がフィラルモニカ。
正面はトレントの大聖堂。かの昔、トレント公会議の舞台ともなったところ。
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ホールのある2階へ伸びる、レトロな階段。今後この建物は修復予定で、
今は取り外されている歴史ある絵画も、また展示されることになるとか。
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そしてこちらがフィラルモニカのホール。決して大きなホールではないが、素敵な雰囲気のある造りで、大きな窓からは外の日差しが入り込み、開放感に溢れている。
正面にオルガンが。
オルガン:C.V.ボッシ Carlo Vegezzi Bossi 1907年制作
       マッショーニ・オルガン工房 Mascioni  2001年修復
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2段鍵盤+ペダル
30ストップ 
エレクトリック・アクション
(修復に関する詳細はこちらから、ストップリストはこちらからどうぞ(イタリア語)。
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このオルガンはかつて、イタリアで有名なロマン派のオルガニストM.E.ボッシが制作に関わり、お披露目演奏会を弾いている。また、レスピーギもこのオルガンのために、オルガンと弦合奏ための作品を書いており、ここを何度も訪れているとか。

正面パイプに、ホールのシンボルマーク発見!
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火曜日朝のこのコンサートシリーズは、トレント大学の主催する市民大学や、市の中学校の音楽の授業とも提携しており、早朝9時のコンサートには、一般のお客様に混じって、
年配の方々や、元気モリモリの子供達の姿もたくさん。正直、「こんな朝早く、誰が聴きに来るんだろう・・・」なんて思っていた私たちもびっくり。客席は一杯でした。(入場無料)

さて、「一時間程度のプログラムを」と頼まれたのだが、コンサートのチラシには「コンサート9時~11時」とある。聞いたら後の1時間は、「適当にボクが曲間になんかしゃべるからさ。たまにそっちもなんかしゃべってよ。質問とか出るし」と企画責任者の音楽教授。
え?でも、一時間分のMCってかなりあるんですけど?打ち合わせとかしなくていいの?どこでトーク入れるのかとか、何の話するのかとかさ・・・。
日本のホールでレクチャーコンサートや鑑賞教室なんかをする場合、かなり入念に進行表を作ったり、関係者同士で打ち合わせしたり、トークや演奏時間のリハーサルをするのは、いわば当たり前なので、それに変に慣れてしまっている私は、かなり不安になってきた・・・。この辺り、国民性の違いでもあるんでしょうね。

本番開始5分前、やっと司会進行の教授現れる。
私たち「あの、トークはどこで入る・・」 教授「ボクさ、10時半の電車にどうしても乗らないといけないんだよねー」(とおもむろに時刻表を取り出す)
私の心中 (ま、演奏時間は大して変わらないんだから、後はあなたのトーク次第でしょ。)

本番開始。先に舞台に出た教授、おしゃべりがとまらない。すでに20分くらい経過。
楽屋で私&夫「・・・このコンサート、終わらないよ、たぶん」

やっと舞台に呼んでもらい、数曲御披露。中学生のノリが非常に良い。元気一杯で大変結構。

オルガンビルダーでもある夫がトークに加わり、オルガンの仕組みなんかを説明。
人前でしゃべるのは苦手だとしり込みしていた夫、かなり絶好調でおしゃべり開始。冗談言って会場の笑いを取ったり、かなり弾んでる。ほんと、イタリア人って本番に強いというか、即興性に溢れてるよなあ。羨ましい限り。
・・・その一方、昔の仕事柄、マイクでしゃべることには鍛えられてる筈の私、イタリア語だと思うととてもとても気が引けて、頭に浮かぶのだが怖くて口から出てこない。舞台でただただ笑顔を振りまくのが精一杯で情けない。意外と小心者なんです・・・。

演奏中、舞台袖に引っ込んだ教授が、腕時計を見ながらぐるぐる歩いているのが見える。電車の時間が気になる様子。「そう言われても・・・」と思いながらも、気持ちテンポが上がってしまう私(笑)。早く電車に乗せてあげないといけない気になってしまうのですよ・・・。今思うと、意地悪にも何度も繰り返して弾けばよかった?!と思うけど(笑)そんな余裕なし。

再度舞台に登場した教授、いきなり「ねえ、こっちの曲先に弾いてくれない?」
おっ?いきなりプログラム変更出たっ。はいはい、いいですよ~。

そして、私たちが最後の二曲、連弾曲を弾き始めたや否や、教授、駅へと向かった様子。
終演後に彼の姿は無かった・・・。またどこかでお会いできるといいですね(^^)。



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PS.・・・と思ったら終演後、私たちが着替え&後片付けをしてホールから出たところに、
向こうから教授が歩いてくるではないか!(本当です。)
「あれ?!電車はっ?!?」と聞いたら笑顔で一言、「ははは。乗り過ごしたよー」。
結局近くのバールでコーヒーで楽しくミニ打ち上げ。
そういえば、まだ朝食食べてなかったわ。


PSその2:
更に追加ですみませんvv。
聴きに来てくれていた写真家の友達が、撮ってくれた写真を早速送ってくれました。
とてもステキな出来なので、ここにも載せちゃいます^^。プロの出来は全然違うなあ~。
上手に弾いてるようにみえるでしょ?!Grazie Stefania!
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by organvita | 2009-03-18 01:40 | 見た弾いたオルガン | Comments(8)
Commented by akikastu at 2009-03-18 20:16 x
早速に拝見!教会もホールもすばらしい。オルガン;パイプの配置、デザイン、嬉しいぐらいです。礼拝堂にこのようなオルガン在ったら毎週いやな説教を我慢しても行きたいです。


そのうちBLOGに音貼れません?!

よろしく。
Commented by organvita at 2009-03-20 19:19
akikatsuさま、コメントありがとうございます。そうですね!日本にも教会にパイプオルガンがあるところはどんどん増えていますし、音楽聴きに?礼拝に行かれるのも良いかもしれません^^。
blogにYou Tubeが貼れるようなので、そのうち自分の音源も載せられるか試してみます。・・・その前に練習しないと・・・汗。
Commented by hyblaheraia at 2009-03-21 00:44
最後のお二人のお写真、美しいです~。今朝、お紅茶を飲みながらずっと愛さんのブログを楽しく拝見していました。すごいお山に住んでいるんですね。ハイジの世界!チンチャッレーグラも見ましたよ。かわいすぎて、その記事のページをブラウザのお気に入りに入れちゃいました。
お二人の暖かく明るい雰囲気が伝わってきます。イタリアの北~と南~~で遠く離れていますが、ブログを通じて繋がったことをとても嬉しく思います!
Commented by yuuk at 2009-03-21 05:34 x
いいですね〜、こういうコンサートがあるのって。
Bossi、Mascioni・・・もちろん、名前は聞き覚えがあります(もちろん、誰から聞いたかはお分かりですね・笑)
写真だけでも見れたら喜ぶだろうなと思って、この記事を、彼に送りました(日本語読んでくれれば便利なのに〜)。
修復の記事、ストップリスト、「勉強しろ」と言われるだろうな〜(笑)

イタリアのコンサート、やっぱりこんなにのんびり(っていうか、その場でなんとかやっちゃおうっていうか、電車次第っていうか^^)なんですね。
こんなふうに、音楽だけでなく、トークが入るっていうのもいいな〜。
↑私は時々、音楽聴きに、礼拝に行ってます(汗)
Commented by organvita at 2009-03-24 07:18
hyblaさま、嬉しいコメントありがとうございます^^。そうなんです、お山の中で夫とハイジ&ペーターごっこをしております(笑)。チンチャッレーグラすごいでしょ?!またあの奇跡が起きないか?!と期待しているんですが、やっぱりあの出来事は今でも不思議です!
イタリアの両端で、こうやってブログを通じて語り合える人と出会えて(しかも音楽系!)こちらこそ、とっても嬉しいです^^。
Commented by organvita at 2009-03-24 07:28
yuukさん!Bossi&Mascioniに反応できるということは、すでに相当オルガンにハマっていますね?!すごいですよーyuukさん!
例の彼にもどうぞよろしく^^。
礼拝にも聴きに行っているんですね。ノゼッティの演奏かしら??
Commented by momousa at 2009-03-24 20:02 x
私にとって朝のコンサートもフィラルモニカも初体験。どうせ来るのはイタリア人だし、とユックリめに到着したら既におじさま、おばさま族の列ができているではありませんか!扉が開くや否や皆駆け込むように席取り!ついつい私もつられて最前列の席へ(笑)。おかげでお二人の華麗なる手さばき足さばきを拝見できました。うっとり。軽やかさはまさにあの写真の通りです。パイプ真下の大音響にも、某教授の長ーい前置きトークや意味不明の割り込みトークにもめげず、突然の曲順変更にもまったく動じることなく、演奏するオルガニストって本当に本当にすごい!と思いました。旦那様のトークが乗り始めたのは、某教授の珍質問からorganvitaさんを守るかのように旦那さまが話し出したのがきっかけ、と私はみうけましたが。美しい夫婦愛まで見せてもらって、ああ、元気もらって帰りました。ありがたや。
Commented by organvita at 2009-03-25 07:30
momousaさん、おお~!コメントありがとうございます^^。
あの日は来ていただいてありがとうございました!
「イタリア式」の司会進行(?)に色々思う私を受け止めてくれたのは、同郷のmomousaさんだけ・・。こちらこそありがたやです。イタリア修行の道?は長し。お互いがんばりましょう~^^。
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