名古屋のゼーニ・オルガン

5月の連休明け、
名古屋の某個人サロンに、
アンドレア・ゼーニ工房のオルガンが建ちました。
まずは完成の、美しい姿をご覧ください☆

f0161652_02275647.jpg

約一年半前からのプロジェクト。
オルガンの目的、どんなレパートリーが主に弾かれるのか、
楽器の仕様、置かれる場所のこと、などなど、
本当に色々なことを噛み砕き噛み砕いて、
一つの楽器の姿を見つけていきます。
それから工房で一年以上かけて部品一つ一つを丁寧に制作。

その楽器は、工房で完成させたあと、解体し、
大きな箱に詰め込まれて、ドロミテの工房から日本まで
遠路遥々運ばれ、いよいよ現地に待望の到着!

f0161652_02373247.jpg
大きな2つの箱に見事にきっちりと納められた全ての部品を、
部屋の中に運び込んでいきます。
後の作業もしやすいように、運び込む置き場所も考えながら。
f0161652_02413564.jpg

土台部分の位置を決めて、モーターと照明用の電気を通し、
箱を組立て始めます。部屋の中は部品でぎっしり。

f0161652_02453672.jpg
工具はほとんどイタリアから持参。
アンドレアの荷物の半分は工具でした。
釘一つ取っても、場所と用途に応じて実に色々な長さ大きさが。
ぱっと使い易いように、種類別に並べておきます。
f0161652_02552797.jpg
外枠がだいぶ形になってきたところ。
この辺りは男の力仕事。
部屋の空間にぴったり合わせて設計したオルガンが、しっくり嵌りました。
お部屋の雰囲気とも見事にマッチ☆
f0161652_02510100.jpg
重い屋根部分や風箱を組み込んで外枠が完成したら、
美しい手彫りの彫刻をはめ込みます。
これは、おらが谷の彫刻師が、
アンドレアの奥さんのデザインを元に彫り出したもの。
このオルガンはサイドも丸みを帯びていているところが「特別仕様」の、
女性的な柔らかい印象の顔を持っています。
f0161652_02525778.jpg
さあ、ここからは本当に細かい作業。
鍵盤をはめ込み、ストップノブを入れ、
全てが連動するように内部のメカニックを繋げていきます。
ミリ単位の、神経を集中させる仕事。
f0161652_03041854.jpg
オルガンの内部はこんな風。
つくづくオルガンって、ものすごいメカの、
でもある意味すごく原始的な仕組み。
でも、そこまでなら車でも機械でも同じかもしれませんが、
オルガンの場合、そこに空気が通って息が吹き込まれて音が鳴り、
音楽が奏でられて人の心に響いていく。
本当に奇跡的に美しい「機械」だなと感動します。
500年近く、オルガンという楽器の基本原理は変わっていないというのも、
それが完全な形である証拠でしょう。
f0161652_03090126.jpg
メカニックが完成したら、いよいよ整音作業。
一本一本のパイプが、その空間で一番美しく鳴るように、
そして他のパイプの音と美しく溶け合うように、
しーんとした中、集中力120%で、音量、音質を微調整していきます。
この作業でこのオルガンのキャラクターが決まるともいえるので、
とてもとても大切な時間。数日かけてじっくり行いました。
f0161652_03110762.jpg
正面の輝くプロスペクトパイプを、指紋がつかないように手袋をはめて、
慎重にセッティングしているところ。
f0161652_03131188.jpg

こうして遂に、美しいお顔のオルガンの完成です!
鍵盤から見上げるとこんな感じ。

f0161652_03222998.jpg
二段鍵盤+ペダル。10ストップあります。
この10ストップに何をどう選択したかも、
ビルダーの腕の見せ所です!
それから、鍵盤タッチの感覚も一つ一つを微調整します。
指にすっと馴染む、繊細で美しい触り心地で、
いつまでも弾いていたい気分にさせられる気持ちよい感覚。
f0161652_03361892.jpg
完成後には、楽器所有者さんの近しい人が集まってくださり、
牧師の祝祷と共に、皆でこのオルガンに合わせて賛美歌を歌いました。
にっこり笑っているかのようなオルガンのお顔。嬉しそう。
それから、小さなお披露目コンサートを弾かせていただきました。
この楽器の美しい音色の組み合わせと、個性を感じていただけるように。
f0161652_03390338.jpg

オルガンって、その一台一台に、
それが制作される誕生のストーリーがあります。
一台一台が注文制作で二つと同じ楽器はありません。
そして、愛してあげれば500年と響き続けることができます。
生まれたばかりの0歳のこのオルガンも、これから沢山愛されて、
豊かなハーモニーを奏でていってくれることでしょう!


・・・・・
リンク集
2017年ドロミテオルガンアカデミーのご案内
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内





[PR]
# by organvita | 2017-05-25 06:18 | オルガン工房 | Comments(0)

ジロ・デ・イタリア通過!

今日、ジロ・デ・イタリアが谷を通過しました!
17ステージ、ティラノからカナツェイまでの219kmコース。
昨日はステルヴィオ峠往復という、超過酷コースだったので、
今日は比較的「易しい」道のりの感じ。
明日は再び、厳しい山越えコースです。

午前中に隣町カヴァレーゼにて買い物中、
テレビ中継地点の準備しているゲートを、車で通過。
ここからゴールのカナツェイまで40kmの地点。

f0161652_00060629.jpg

さて、午後一で隣隣村でピアノのレッスン中に、道路全面通行止め。
自転車ファンの生徒くんとテレビ中継でジロの居場所をチェックしながら
(今日は集中力に欠けたレッスンでした。笑)
ベートーヴェンの月光と、エンターテイナーを弾き終え、
一緒に道に出て、ジロ通過を待ちました。
近所のバールでは、みんなビールやアイスを片手に、
ジロの中継で通過地点をチェック中。

f0161652_00104370.jpg

ジロの楽しいのは、傍で一緒に待って応援している知らない人と
井戸端会議で盛り上がれるところ。
そうこうしている内に、第一陣が通過。
これは第二陣↓。

f0161652_00180844.jpg
f0161652_00183989.jpg
f0161652_00204409.jpg


大きく二つに分かれたグループが、
上り坂を風のように去っていきました。
かっこいいっす!!!

f0161652_00223285.jpg


・・・・・
リンク集
イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。

.....
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。

 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
# by organvita | 2017-05-25 00:27 | ドロミテの生活 | Comments(0)

東京のハウスオルガン

4月末の一週間。
東京のマンションに、練習用のハウスオルガンを搬入&組立しました。
イタリアの工房から一ヶ月前に船で旅立ったオルガンが、無事に到着!

f0161652_19034318.jpg
工房で音が鳴るまで完全に完成させたオルガンは、
一度解体してこの頑丈な木箱に詰められ、送られました。
それを今度は丁寧にほぐして、部屋に運び入れていきます。
f0161652_22061383.jpg
まずは、オルガンの土台部分を組立。
チームは、社長のアンドレア、アレちゃんと私の三人。
f0161652_22154168.jpg
山のようにある部品をパズルのように組み合わせていくと、
だんだんと形が見えてきます。
f0161652_22230545.jpg
手鍵盤が入って楽器らしくなってきました。
f0161652_22261667.jpg
力仕事の他にも、0.1ミリ単位でのメカニックの調整が延々と。
f0161652_22364651.jpg
今度は部屋の音響に合わせて、パイプ一本一本の整音作業。
これが数日続きます。
f0161652_22395526.jpg
そして、約5日間の作業後、とても美しい姿と響きに完成!
楽器所有者さんの教会の神父様が、聖別の祈りを捧げてくださり、
それからアットホームなミニ演奏会を弾かせていただいて、
晴れてお引渡しとなりました。
f0161652_22425961.jpg
防音されていないマンションのお部屋に置かれたので、
なるべく柔らかい静かな音で、でも音色の組み合わせも楽しみたい、
最低限のレパートリーがしっかり練習できて、
長時間練習しても疲れない楽器、というのが想定のこのオルガン。

二段鍵盤とペダル。5ストップを持っています。
パイプを全て箱の中に隠す形をとったことで、
目の前でパイプがガンガン鳴って疲れる、ということが避けられ、
柔らかい温かい音色が耳に優しく伝わってきます。
音をはっきり飛ばしたいときには、スウェルペダルを踏み込めば、
楽器両脇の扉が手前に開いて、開放的な音が外に響く仕組み。
もちろんロマン派のスウェルを使う曲の練習もできて一石二鳥。
f0161652_23005009.jpg

楽器所持者さんから、オルガンの正面には
「3大天使のモチーフを入れて欲しい」とのご希望。
そこで、アンドレアの奥さんがデザインし、
アンドレアがそれを象眼彫刻に仕上げました。
どれも着色していない、自然の木のままの色。
楽器やお部屋の木材の色調ともマッチして、
世界にひとつだけの美しい家具となりました☆
f0161652_23214547.jpg
このオルガンを通じて、これからたくさんの笑顔とハーモニーが
育まれて生きますように☆


追伸:
友達のダーリンが料理人のフランスレストランで、
オルガン完成を祝って皆でお食事したら、こんなサプライズ!
世界にひとつだけのドルチェ☆☆
f0161652_23235386.jpg

・・・・・・・

リンク集
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。

.....
今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。

 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
# by organvita | 2017-05-19 23:41 | オルガン工房 | Comments(2)

5月のおらが村

3週間半の日本滞在を終え、
無事にまたイタリア、おらが村に戻りました。
日本滞在記はまたゆっくり書くとして、
久々におらが村を散歩。
しばし留守にしている間に、谷は緑が眩しい季節に衣替え。

f0161652_07394955.jpg

恋の季節をパパラッチ☆

f0161652_07490888.jpg

裏山の羊たち。夕食の時間。

f0161652_07510811.jpg

やっと立てるようになった子たちも、
そろそろ小屋から出て、夏の長旅に借り出されます。がんばれ。

f0161652_07521382.jpg
巨乳マンマのおっぱいたくさん飲んでおーきくなーれ。
f0161652_07534259.jpg

日本での都会生活が夢だったかのように、
田舎のゆっくり時間が流れていきます。

f0161652_07562449.jpg




リンク集
イタリア旅行情報サイト「JAPAN-ITALY Travel on-Line」で
「オルガニスト吉田愛のドロミテ暮らし」連載中。

.....
A.ゼーニ社製、家庭用パイプオルガンのご案内

今日もご訪問ありがとう。クリックしてね。

 
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
# by organvita | 2017-05-19 08:02 | ドロミテの景色 | Comments(2)

2017年 ドロミテオルガンアカデミーのご案内

2017年のドロミテ・オルガン・アカデミーのご案内です。
ドロミテの山を仰ぎながら、パイプオルガンを弾いてみませんか。

世界遺産ドロミテ山塊の麓、フィエンメ渓谷を拠点に近郊の教会を巡りながら、
様式の異なる様々なオルガンでレッスンを受講、聴講していただきます。
また、オルガン工房を見学したり、ドロミテ散策もアレンジします。

パイプオルガンを学んでおられる愛好家、教会オルガニスト、
学生さんからプロの方まで、どなたでもご参加いただけます。

f0161652_08231075.jpg

場所:
北イタリア、トレンティーノ州、フィエンメ渓谷(Val di Fiemme)

課題曲: 
自由選択
(見学するオルガンに合わせたレパートリーをこちらからもご推薦いたします)

宿泊:
フィエンメ渓谷のホテル、またはB&B(一泊約50ユーロ朝食込)

日程: 
①7月23日~7月29日
(7月23日集合、7月29日午前解散)
定員4名(日本人対象)
残り1名様お申し込みいただけます。
参加費 400ユーロ


②8月28日~9月2日 
(8月28日集合、9月2日解散またはドロミテハイキング)
(ハイキングに参加される方は9月3日まで滞在されることをお勧めします。)
定員10名(国籍問いません)
残り3名様お申し込みいただけます。
9月1日の終了演奏会で演奏していただきます。
参加費 250ユーロ
※こちらはテゼロ村オルガン協会企画「ドロミテオルガン週間」です。
日本人に限らず広くご案内しております。
協会員でない方には追加で50ユーロの入会費を任意でお願いしています。



・・・・・・・・

お問い合わせ、ご参加ご希望の方は、以下のメールまでご連絡ください。
その際どうぞ、お名前、お歳、簡単なオルガン歴をお伝えください。 
≪ailuebeck(アッドマーク)hotmail.com≫

皆様のお越しをお待ちしております!



にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ にほんブログ村 クラシックブログへ 


[PR]
# by organvita | 2017-04-19 10:20 | ドロミテ・オルガン・アカデミー | Comments(0)